戸建ての固定資産税はいくらくらい?基準日や支払い期日、課税標準額等の5つのポイントを解説

固定資産税はいくら?5つのポイントを解説

マイホームを新築・購入したのはいいけれど、これから払わなければならない一軒家の固定資産税がいくらくらいなのか、気になっている方も多いのではないでしょうか。

固定資産税は、所有する不動産のある市町村に、毎年納める税金です(東京都だけは都に納税)。

  • 家や土地の固定資産税はどのように決められているのか
  • 税金算出の基礎となっている評価額や課税標準額とはなんなのか
  • いつから払わなければならないのか

など、戸建にかかる固定資産税について5つのポイントを解説します。

1.一戸建ての固定資産税はいつから払うのか

固定資産税の賦課期日は1月1日、基準日の話

固定資産税は、1月1日現在に土地や家屋を所有している方が納める税金です。

しかし、土地を買いお金を払っていたとしても、1月1日までに登記をしていなければ、公的な所有者は前の所有者となります。

この場合、固定資産税を払うのは、原則的には前の所有者です。(売買した年は、所有期間に応じて日割り負担するという例外はあり)

同じように、一軒家を新築している状態で年をまたいでしまった場合、その家はまだ完成しておらず、新築登記もされていませんので、固定資産税の対象にはなりません。

もし、1月2日に新築登記(売買登記)をしたとしても、固定資産税がかかるのは翌年からです。

あくまで1月1日の登記の状態で、固定資産税は賦課されるのです。

ただし、相続登記されていない未登記建物などに関しては、登記に関わらず課税されることがあります。

土地だけを前年に取得している場合

建売の一軒家や、中古住宅を購入したのであれば、土地と家屋は一緒に売買されるのが一般的ですが、注文住宅を建てる方のなかには、先に土地を取得する方もいるでしょう。

その際、土地の売買だけ前年に行い所有権移転登記をしていれば、翌年の1月1日現在の所有者として、土地だけ先に課税されることになります。

なお、家が建っていない土地は住宅特例の適用がないため、固定資産税が高くなりますので注意が必要です。

通知はいつ?5月以降に年4回に分けて支払い

1月1日までに新築登記がされていた場合は、固定資産税の課税対象となりますので、その年から納税通知書が送られてきます。

基本的には、4月上旬に納税通知書が送付され、5月以降、年4回に分けて納付します。

なお、固定資産税では、3年に1度「評価替え」が行われます。

評価替えの年の納税通知書は例年より一か月遅い5月に発送され、6月から納付となります。

2. 固定資産税の基礎となるのは評価額

一軒家を新築・購入したのであれば、借地の場合を除き、土地と家屋の税金がかかります。

では、固定資産税の算出基礎となる「評価額」はどのように決まるのでしょうか。

土地と家屋ではそれぞれ算出方法が違いますので、個別に説明します。

土地の評価額はどう決まるのか

固定資産税の土地の評価額は、次のとおり計算されます。

土地の評価額=路線価×補正率×面積

土地の評価額には

  • 「路線価方式」
  • 「倍率方式」

の計算方法があり、基本的に家の建つような市街地は「路線価方式」が取られています。

路線価とは

路線(道路)に面する標準的な宅地の1平方メートル当たりの価額のことで、国家資格を持った不動産鑑定士が決めています。

国税庁のホームページを見ると、地域ごとの路線価を確認することができますので、一度見てみることをおすすめします。

また、市町村の職員は、各土地の現地調査を行います。

そこで、間口が狭い、奥行きが長すぎる、角地であるなどの各土地の個性をチェックし、路線価に様々な補正をかけて各土地の単価を算出します。

その単価に面積をかけて、土地の評価額が算出されるのです。

なお、固定資産税の評価額は、地価公示価格の約7割になっています。

地価公示価格は毎年鑑定・発表されていますが、固定資産税評価額は3年に1度行われる「評価替え」の時に見直されます。

家屋の評価額はどう決まるのか

固定資産税では、住宅や店舗、倉庫などを含めて「家屋」といいます。

家屋の評価額は、国で定める評価基準に基づいて次のとおり計算されます。

家屋の評価額=1平方メートル当たりの再建築費×経年減点補正率×課税床面積

再建築費とは

評価対象の家屋と同じものを新築するとしたらいくらかかるのかを、国の基準により計算した建築費のことです。

この計算のために、市町村の職員は新築した一軒家へ調査に入り、構造や材質、ユニットバスや床暖房などの住宅設備をチェックするのです。

経年減点補正率とは

建築後の年数による減価率です。

この減価率は、建物が木造か鉄骨か、住宅か店舗か、などによって決められています。

同じ年に建てられた木造の一軒家に比べ、鉄骨マンションの固定資産税がなかなか下がらないのは、構造の違いで減価率に差があるからです。

また、家の増築などをしない限り、家屋の評価額も3年に1度の「評価替え」までは変わりません。

建物は少しずつ古くなっていきますので、評価額は評価替えごとに下がります。

ただし、リフォームや増築をした際には再調査が行われ、固定資産税評価額が上がることもあります。

3. 固定資産税の課税標準額とは?

固定資産税の基礎になっている評価額ですが、評価額に税率(1.4パーセント)をかけるわけではなく、評価額から算出される課税標準額に税率をかけて計算されています。

まず、一軒家の場合、家屋の税金は「評価額=課税標準額」になります。

ただし、一戸あたりの総面積が50~280平方メートルの一般住宅であれば、新築後3年間(長期優良住宅は5年間)は、120平方メートルまでの固定資産税額が2分の1に減額されます。

4年後から本来の税額に戻りますが、大きな豪邸は別として、普通の一軒家ならほとんどが減額されることになるでしょう。

次に、住宅が建っている土地の固定資産税ですが、土地は「評価額=課税標準額」とはなりません。

「住宅用地の特例」により、家一軒につき200平方メートルまでを「小規模住宅用地」とし、評価額に6分の1をかけたものが課税標準額になります。土地の面積が200平方メートル以上ある場合は、残りは「一般住宅用地」となり、評価額に3分の1をかけたものが課税標準額になります。

たとえば、300平方メートルの土地に一軒家が建っている場合、200平方メートル分は評価額に6分の1、残りの100平方メートル分は評価額に3分の1をかけて課税標準額を算出します。これによって、住宅のない更地や駐車場に比べ、一軒家の建つ土地はかなり税額が減額されるのです。

また、税負担の調整措置も取られており、課税標準額がさらに引き下げられる場合もあります。詳しくは、各市町村の固定資産税担当部署に確認してください。

4. 固定資産税と一緒に払う都市計画税とは」

都市計画の区域によっては、固定資産税とあわせて都市計画税も納める必要があります。

都市計画税は、都市計画事業や土地の区画整理事業に充てられる税金で、課税されるのは都市計画区域のなかの「市街化区域」にある土地と家屋です。

市街化区域というのは、すでに住宅や商業施設があるような既存の市街地や、これから10年以内に市街化を目指す地域です。

ですから、一軒家を建てるような地域は、基本的には「市街化区域」に当たりますので、都市計画税も一緒に払うことになります。

固定資産税の税率は1.4パーセントと全国一律ですが、都市計画税の税率は最大で0.3パーセントと定められており、地域によって変わります。なお、都市計画税も住宅用地の特例があり、課税標準額が小規模住宅用地で3分の1、一般住宅用地で3分の2になります。

5. 我が家の固定資産税をチェックするには

まずは納税通知書を確認

一軒家にかかる固定資産税の仕組みは、土地と家屋によっても違うため、なかなか理解するのが難しいものです。

とはいえ、何もわからないまま払い続けているのも問題です。時には、評価額の計算などが違っていることもあるからです。

まずは、4月上旬(評価替えの年は5月上旬)に発送される納税通知書をしっかり見てみましょう。

そこに、評価額や課税標準額が記載されています。わからないことがあれば、電話でもいいので確認するようにしましょう。

納税通知書が来る前に確認することも可能

納税通知書が来る前に、評価額などを確認することも可能です。

毎年3月(市町村によっては4月)に固定資産税にかかる縦覧・閲覧期間が設けられており、所有者は「固定資産課税台帳」を自由に見ることができます。

見て確認するだけではなく、疑問点があれば、その場で評価を行った担当者に質問することもできるため、一軒家を新築・購入して初めて固定資産税を納税する年には、市町村の担当窓口に行って固定資産課税台帳を確認することをおすすめします。

万が一評価が間違っていれば、税額が変わることもあるからです。

まとめ

固定資産税は、一軒家を新築・購入した翌年からかかります。

初めて固定資産税を払うという方なら、納税通知書で確認するだけではなく、縦覧・閲覧期間に各自治体へ行き、評価額や課税標準額、税額をきちんとチェックしましょう。

そして、わからないことは担当者に直接聞くことをおすすめします。固定資産税は毎年かかる税金です。

言われるがまま払うのではなく、しっかりと理解・納得のうえ納税してきましょうね。