サンルームという言葉をご存知でしょうか。
最近、住まいにサンルームを設けることが注目されています。サンルームを設けて住まいを快適にしたり、おしゃれな空間をつくる人が多く見受けられるようになっています。
今回は、多くの人が憧れるサンルームについて詳しく解説していきます。
この記事の目次
サンルーム5つの活用方法とメリット
サンルームとは、日光を取り入れるために住まいに設ける部屋のことです。
壁や天井をガラスやポリカーボネートで囲み、日光をふんだんに取り入れた明るく開放的な空間を住まいにつくることができます。
日光浴を楽しむための部屋としてのイメージが強いサンルームですが、実はいろんな活用ができるスペースになります。
室内の温度調整スペースの役割がある
リビングの延長としてサンルームを設置することで、室内の温度を調整するスペースとして使うことができます。
リビングと屋外との間にサンルームがあることで、サンルームが断熱スペースのように機能します。
冬は日光を取り込んでサンルームを暖め、暖めた空気をリビングに取り込むことで冬でも暖かい住まいにすることができます。夏場のサンルームは暑くなるイメージがありますが、サンルームとリビングの間に建具を入れておけば快適に過ごすことができます。
リビングと屋外との間にワンクッションとなる空間があることで、リビングは外気の影響を受けづらく、エアコンの効きやすい環境となります。
また春や秋の気持ち良い季節はサンルームの窓を開放すると室内にいながら外のような気持ちよさを感じることができます。
ガーデンルームとして緑を楽しむ
日光がふんだんに入ることを利用して、植物を育ててガーデンルームとして利用する人も多くいます。
室内にいながら、天候に左右されずに緑を楽しむことができます。
また、夏場の日除け対策としてすだれやブラインドの代わりに植物を利用し、緑のカーテンをつくることで緑を楽しみながら日除けのできる一石二鳥の使い方をする方も見られます。
洗濯物干しスペースとして
サンルームを洗濯物干しのためのスペースとして使う人も多く見受けられます。
日光を取り入れながらも閉めきることができるので、花粉対策として使ったり、雨の日にも室内で広々と洗濯物を干すことができます。
ペットにとって最高の居場所
ペットを室内で飼う場合に、犬や猫がくつろぐためのスペースとしても有効です。
外のような解放感がありながら明るく暖かいサンルームはペットにとって最高の居場所になるでしょう。
ダイニングやカフェスペースとして
気持ちのよい季節には、屋外で食事や読書をしたいものです。
サンルームがあればセカンドダイニングやカフェスペースとして、気持ち良い風を感じながら食事をすることができます。
サンルームにもデメリットはある
多くのメリットがあるサンルームですが、逆にデメリットはあるのでしょうか。
サンルームの仕様や施工を十分に検討しないと、設置後に後悔することにもなります。
サンルームを設置する際のデメリットや注意点を解説します。
仕様や場所を考慮しないと夏に暑く、冬に寒い場所となる
サンルームを設ける際に多い失敗例は、夏は暑すぎて使えず、冬は寒すぎる場所になってしまうことです。
基本は日光を取り込むための部屋なので夏暑くなってしまうことはある程度必然とも言えますが、そのことを考慮してサンルームの仕様を考えなければいけません。
また夏が厳しい地域なのか、冬が厳しい寒冷地なのか、地域性も考慮することが大切です。
例えば、夏に気温が高くなる地域であれば、夏の遮熱を主に考慮して、遮熱性能のあるガラスを使用し、シェードやカーテン・ブラインドなどの日除けができるよう考慮することが必要です。
リビングとサンルームの間の建具も十分な気密性を確保して、冷房が効きやすいように考慮する必要があります。
寒冷地であれば、冬の断熱を主に考慮して、断熱性能のあるガラスを使用し、屋外の気温の影響を受けづらくすることが大切です。
固定資産税がかかる
固定資産税の対象となるのは、「天井があり3方向以上が壁(ガラス)で囲まれていて、一番高い天井まで1.5m以上の部分」となります。
そのため、サンルームは課税の対象となります。
しかしサンルーム自体は大きな面積ではないので、一般的な面積であればそれほど大きく税金が高くなることはありません。
後付けで施工する場合は接続部分に注意が必要
リフォームでサンルームを後付けする場合は、施工に十分注意する必要があります。
特に既存の住宅との接続部分は、雨仕舞を十分に考慮して安全な施工を行うことが大切です。
接続部分との取り合いの検討が不十分だと雨漏りが起こることもあり得ます。
サンルームを増築する場合は、なるべく既存の住宅を施工した業者に頼む方がよいでしょう。
既存の住宅の仕組みについても理解があるので施工がスムーズに行うことができますし、万が一不具合があっても対応をしてもらいやすいからです。
リフォームで、サンルームを後付けする場合の2つの注意点
使い勝手や生活の変化によってサンルームをリフォームで増築するケースも多く見られます。
このようにサンルームを後付けする場合、法的に注意するべき点を抑えておきましょう。
建ぺい率や容積率の確認が必要
建築基準法では、壁やガラスで囲まれており、屋根がある部分は床面積に含まれます。
サンルームは床面積に入るので、建物の建築面積、延床面積が増え、建ぺい率や容積率が増えることになります。
サンルームを増築する際には、地域で定められている建ぺい率や容積率をオーバーしていないかの確認が必要です。
広さや地域によって確認申請が必要
サンルームを後付けすることによって確認申請が必要かどうかは、住宅の建つ地域や増築部分であるサンルームの面積によって左右されます。
まず、住宅の建つ地域が「防火地域・準防火地域」に指定されている場合、増築部分の面積に関わらず、確認申請が必要になります。
既存の地域が市街地でなく、「防火地域・防火地域」にあてはまらない場合、増築部分の面積が10㎡以内であれば確認申請は不要となります。
サンルームを後付けでつける場合は法的な見落としがないよう、施工業者や建築士に確認をするようにしてください。
一番気になる費用の話。サンルームの費用相場を押さえよう
サンルームをつける場合、どの程度の費用がかかるのでしょうか。
以前まではサンルームといえば個別に設計されることが多かったですが、需要が高まっていることでリクシルやYKKなど、各メーカーが既製品を販売するようになってきました。
サンルームにかかる費用は広さや仕様によっても大きく異なってきます。
参考までにリクシルの既製品を例にすると
約4畳(間口約3,640mm×奥行約1,820mm)であれば、
- コストを抑えた安価な製品(サニージュ)であれば約60万円~
- 腰壁を設けて居心地を重視した製品(ココマ)であれば約95万円~
- 折れ戸によって開放できる製品(暖蘭物語)であれば約128万~
といった価格帯となっています。
日除け対策のオプションやガラスの仕様によって価格は変わってきますが、後々後悔しないためにも、十分に地域性や個々の住まいの事情を考慮して仕様を決めることをおすすめします。
以上のように、サンルームを設ける場合は、仕様や広さを十分考慮し、検討することが大切になります。
サンルームは様々な活用ができるので、住まいに取り入れることで、より快適な暮らしを手に入れることができるでしょう。