外壁サイディングの種類・価格・選定基準など知るべき4つのこと

サイディングの種類、価格、おすすめなど

最近では外壁材として多くの住宅がサイディングを使用しています。

そんなサイディングですが、非常に種類が多く、デザインも豊富であるため、住まいを新築する際に多くの方がどの種類・デザインを選択するべきか迷ってしまうこともあると思います。

そんな方に、ここではサイディングについて、メリットやおすすめの種類、価格などについて詳しく説明していきます。

サイディングとは?まずは知るべき2つの基本

かつての日本の住宅は木の板張りが多く見られていました。

しかし、板張りは防火上の観点から住宅が建て込む都市部では採用しづらくなり、それに代わって普及したのがモルタルの外壁です。

モルタル外壁は防火上有効な外壁ですが、下地を作り、職人が左官を行うために手間がかかります。

そこで、ハウスメーカーの発展に伴い一気に主流となった外壁材がサイディングです。

サイディングの外壁は長い板状のボードを張り合わせて壁をつくっていきます。

素材自体の価格が安く、かつ工事に手間もかからないため、現在では都市部、地方に関わらず非常に多くの住宅にサイディングが採用されています。

主に以下の2つの特徴があります

1. 工期が短く、価格が安い

サイディングの大きなメリットのひとつとして、価格が抑えられることが挙げられます。

防火が求められる都市部においても、安価に防火性能を持つ壁をつくることができます。

また、木の下地に取り付けた専用の金具に引掛けていくだけで張り合わせることができるため、工期を短縮できるので工事費用も安くなる傾向があります。

2. デザインが豊富

サイディングは非常にデザインが豊富にあることも大きな特徴です。

シンプルなものからタイル調、レンガ調、木目調と様々なデザインの中から自分の好きなデザインを選ぶことができます。

サイディングの種類とそれぞれの単価

サイディングは大きく分けて

  1. 窯業系
  2. 金属系
  3. 木質系
  4. 樹脂系

と4つの種類があります。

それぞれに特徴があり、また価格も異なるため、自身の住まいの予算やメンテナンスの計画、街並みに合った種類を選択することが大切です。

ここでは、それぞれの種類の特徴と価格を解説していきます

1.窯業系サイディング

多くの住宅で普及しており主流の外壁材と言えるのが、窯業系サイディングです。

セメント質と繊維質を主な原料として、板状に形成した製品です。

最もデザインや色のバリエーションが多く、価格も他の種類と比べて安価であるために人気のあるサイディングです。

屋外側に塗装を行って防水性能を持たせています。

デザインや性能により安価な製品から高性能の製品まで価格帯は大きく異なり、一般的な厚み16mmの製品で4,000円/㎡~8,500円/㎡(製品価格・税抜)と様々な製品が揃っています。

2. 金属系サイディング

金属系サイディングは屋根で使用されるガルバリウム鋼板やアルミ、ステンレスなどの金属板と裏打材により構成された製品です。

窯業系と比べ平均的な価格は高いものの、表面が金属板のため防水性能は比較的優れた製品です。

価格帯は4,500円/㎡~7,000円/㎡(製品価格・税抜)となっています。

3. 木質系サイディング

近年注目されているのが、本物の木材をパネル化した木質系サイディングです。

窯業系サイディングでも木目調の製品はありますが、木質系サイディングは実際の木材を使用しているため、木の風合いや経年変化を楽しむことができます。

従来は難しかった防火性能を確保した製品もあり、場所を選ばずに使用することができます。

価格帯は他の種類より高く、8,000円/㎡~27,000円/㎡(製品価格・税抜)となっています。

4. 樹脂系サイディング

樹脂系サイディングは塩ビサイディングとも呼ばれ、主な原料を塩化ビニル樹脂とした製品です。

日本でのシェア率はまだ低いものの、アメリカやカナダでは高いシェア率で主流となっている外壁材です。

原料に顔料を練りつけて色がつけられているため、塗装はがれや変色が起こりにくいのが特徴の製品です。

価格帯は5,000円/㎡~6,000円/㎡(製品価格・税抜)の製品が揃っています。

それぞれで、特徴があることがわかると思いますが、「でも、どれを選びばいいの?」と疑問もでてくることでしょう。

その点については、この後の項目でお伝えいたします。

サイディングの寿命は?

多くの住宅で使われているサイディングですが、耐久性はどの程度なのでしょうか。実際の環境やメンテナンス頻度によって寿命は大きく左右されますが、部位ごとに必要な補修の目安と補修が必要となるサイディングの種類は以下の通りです。

  • シーリングの打替え 5~10年に1回(窯業系、金属系)
  • 塗装の塗替え 10~15年に1回(窯業系、木質系)
  • 部分的な張替え ひび割れや反りなどの不具合が見られたとき
  • 全面的な張替え 新築後約30年が経過したとき

窯業系は最も安価で普及している製品ですが、定期的なメンテナンスが必要となることがわかります。

サイディングの経年劣化で起こる不具合と必要なメンテナンス

サイディングの外壁ではどのような不具合が起こりやすいのでしょうか。

サイディング外壁で見られる不具合とそのメンテナンス方法を知っておきましょう。

シーリングの劣化

窯業系サイディングや金属系サイディングでは一定の間隔で目地を設け、ゴム状のシーリング材を打ち込みます。

シーリングは熱や地震時の揺れなどによって劣化していき、徐々に割れが発生してきます。

こうした劣化を放置しておくと、目地からの漏水も起こることがありますので、定期的なメンテナンスが必要になります。

塗装の劣化

窯業系サイディングや木質系サイディングは表面に塗装を行っているため、経年変化で塗装が劣化していきます。

こうした場合変色や、防水性能の低下が起こります。外壁の方位によっても劣化の速度が変わってきますので、特に雨がかかりやすい箇所はメンテナンスを定期的に行う必要があります。

サイディングを貼り替える際の費用

どの種類の製品もサイディング自体の耐久年数はおよそ30年と言われています。

築30年後を目安に張替えを検討する必要があるでしょう。

サイディングの張替えを行う場合の費用はおよそ以下の費用を目安にしてください。

内容 費用
A.足場代(2階の張替え等で必要な場合) 800~1,000円/㎡
B.施工費 2,500~3,500円/㎡
C.サイディング材料費 各製品の価格
諸経費 A~Cの合計金額の5%~10%程度

おすすめのサイディングは?いくつかの指標を伝授!

サイディングは非常に多くの製品があるため、選択に迷う人も多いかと思います。

最終的には価格や性能、デザインを総合的に検討する形になりますが、いくつか指標になるポイントを挙げていきます。

1. デザインで選ぶ場合

デザインの豊富さを優先したい場合は窯業系サイディングを検討することをおすすめします。

よく見られるタイル調やレンガ調以外にも、ストライプ柄や左官調のものなど、多くのデザインの中から自分の好きなデザインを選択することができます。

2. メンテナンスのしやすさで選ぶ場合

なるべくメンテナンスのかからないサイディングとしたい場合は、金属系サイディングか樹脂系サイディングを選択するとよいでしょう。

金属系・樹脂系サイディングは塗装劣化の心配がないため、塗替えのメンテナンスを省くことができます。

3. 木の風合いを求める場合

最近では外壁を木にしたいといった人も増えてきています。

本物の木でなくとも、木目調で十分といった場合は安価な窯業系サイディングの木目調タイプの製品があります。

自然な木の風合いを求める場合は木質系サイディングを検討することをおすすめします。木質系サイディングは経年変化が自然に起こるので、時間が経つごとに表情の変化を楽しむことができます。

まとめ

多くの住宅で使われているサイディングですが、現在では多くの種類の製品が販売されるようになってきました。外壁をサイディングにする場合は、新築後のメンテナンスや各製品の特長を理解して選ぶことが大切です。

自身の住まいに合ったサイディングを選ぶことで、より住まいに愛着が持てるようになると思いますよ。