鉄骨造住宅の特徴を徹底解説!メリット、デメリットは?

鉄骨住宅の特徴や強み、デメリットを徹底解説

住宅を建築される際に、みなさんが気にはなる鉄骨造住宅というもの。

木造建築とは異なるメリットやデメリット、コスト事情があります。

ここでは、それらの点を詳しく解説していこと思います。

鉄骨造の住宅の種類と各々のメリットとデメリット(所謂軽量鉄骨)

まず簡単に鉄骨造と言っても2つの種類

  • 鉄骨軸組工法
  • ユニット工法

です。

1.鉄骨軸組工法

1つ目は、木造と同様の構造で建築をしていく鉄骨軸組工法。

大手住宅メーカーでは、

  • 積水ハウス
  • 大和ハウス
  • パナソニックホームズ

等が各々の特徴はありつつも、大枠はこの工法に分類されます。

特徴や強み

こちらの工法の一番の特徴は、間取りの自由度が高い事です。

大手住宅メーカーですと、各社の基準や建築基準法に則った基準で、なんでも出来るわけでは当然ありませんが、通常の木造や、後ほど記述するユニット工法に比較すると間取りの自由度は高いです。

その理由は、木造に比べて大空間や大開口を取りやすいからです。(木造でもある程度は大きな空間を取れますが、その分住宅の梁(はり)が大きくなってきて、費用面でも一気にあがってくる可能性が高いです)

また鉄骨造でないとできないような、オーバーハング(1階に対して2階が飛び出てるような間取りや構造)の間取りであったり、インナーガレージなどの大きな開口部分を必須とするような間取りプランは鉄骨の方が得意だったりします。

デメリットは費用が高くなりがちになること

反対にデメリットとしては、一般的な木造建築に比べて、構造体に使用する鉄と木の材料の金額の違いや、工事費用が高くなりがちなことが挙げられます。

また増築や改築などの大規模な改修をする場合ですと、住宅会社や工務店によっては、納まりなどが不明点が多く断られるケースも考えられるため、リフォームに精通している会社か、もしくは元々建てた会社にリフォーム相談することになってしまいがちです(大規模の場合)

2.ユニット工法

もう1つは、箱型のユニットで家を構成していくユニット工法になります。

大手住宅メーカーでは、

  • セキスイハイム
  • トヨタホーム

などがこの工法に分類されてきます。

特徴や強み

こちらの工法の一番のメリットは、

  • 耐震対策に最も優れていること
  • 工期が早いこと

です。

工場でユニットという箱で、家を半分程度工場で作成してから、現場へ運んで組み上げる方法のため、通常の40坪ぐらいまでの大きさ家であれば、外観は1日あれば屋根仕舞いまでできてしまいます。

これにより雨対策が万全で内装外装で品質の安定化が図れたり、工場で作るため品質が比較的安定していることや、四角形で構成されるユニット自体で、地震には強固に耐える性質があります。

デメリットは、規格もののため制約がある

反対にデメリットとしては、上記の軸組工法に比べて、ユニットという決まった規格の大きさの箱で構成しているため、外周部の間取り制約が多い点があります(例えば、ここだけ半畳だけ外に間取りを広げたい、など)

上記を踏まえて、メーカーの選定をして頂ければとも思います。

鉄骨造自体のメリットとデメリット

メリット

・自由度の高い設計について

「自由度」とは柱が立つスパンを長く取ることができ、LDKで大空間が取りやすいこと、と言い換えることができます。

また耐震性を確保するために、木造住宅では家のプランごとに最低限必要な壁が必要です。

その壁を確保するために、窓が大きく取れないことがありますが、鉄骨ですと鉄の柱の部分以外はある程度自由にできる可能性が高くなってきます。

・耐震性が高い理由

木造建築地震に弱いというイメージを持たれている方も多いかもしれません。

しかし木造建築自体はしっかり構造計算をされ、接合部などの工事がしっかりされていれば決して弱くありません。

ただ、昔の木造建築等で倒壊する理由は、柱と梁、もしくは柱と土台が横・縦揺れで接合部が損傷して、2階建ての1階部分が倒壊するというメカニズムになっています。

鉄骨造の場合は、柱と梁、柱と土台が各々ボルトで結合されて、地震で損傷しにくいということがありますため、そこの部分だけを取れば鉄骨造の方が強い場合が多いです。

ただ、耐震性能については、住宅の間取りや各々の工法によって異なってくるため、鉄骨造だから全て安心、という訳では決してなく個々で耐震等級がどれくらいなのか?は、住宅を建築される設計担当者にしっかり確認する必要があります。

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デメリット

・断熱性が木造建築に比べて低くなりがち

鉄骨造の最大の弱点がこの断熱性です。

簡単に実感で理解できる説明をすると、冷蔵庫に鉄と木を入れておいたら、どっちが冷たくなっているか?

またストーブの前に鉄と木を置いていたら、どっちが熱くなっているか?

鉄の方が冷たく熱くなりますよね?

これが「熱伝導率の違い」です。

住宅の断熱性能は、どんな素材を家の外側(外壁、屋根、床、基礎断熱などがあればその断熱)で使って、住宅の内外で熱がどれだけ入りやすいか?また熱が逃げやすいか?という、計算をして数値を出します。

これを外皮計算と一般的は言いますが、この計算でやはり鉄と木での熱の伝導率が異なっているため、同じ壁の厚さで同じ断熱材を使うと、数値的にも、当然実施に住んでいる中でも熱が入りやすく、逃げやすくなるため外気の温度に左右されやすくなります。

・防音性が劣りがち

先程の例えと同様に、鉄と木では叩いた時にどちらが音が響くか、と考えると主に上下階の音が木造に比較して伝わりやすくなります。

このため鉄骨造の住宅では、遮音シートを2階の床に敷くなどの工夫をされて、軽減している住宅会社もありますので、気になる方は床・壁(壁の中の鉄骨を音が伝わることもある)にそういった防音・遮音シートなどを設けると良いかと思います。

・解体時の費用が、木造に比較すると高い

地域差もあるかと思いますが、概ね鉄骨造の解体費用の方が高いです。

木造の場合は解体しやすいですが、鉄骨造の場合はショベルで一気に…というわけにはいかないため、一個一個ボルトから外していったり、切断する場合も木に比べて手間がかかるため、おおよその相場では木造に比べて1.5倍から2倍程度の費用がかかることが想定されます。

<解体費用の相場(地域差や解体する家の大きさなどでかなり変動する)>

木造で坪3万円代〜6万円程度、鉄骨造で坪5、6万円〜となっております。

※あくまで参考相場です

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鉄骨住宅の寿命は?

鉄骨住宅の寿命に関しては、鉄自体は無機質な物質のため、湿気やサビ管理がしっかりできていれば半永久的な耐久性があります。

一方で基礎のコンクリートの寿命が約60年程度と言われていることや、外壁塗装や屋根のメンテナンスをしっかり定期的に行わないと、雨漏りなどが発生し、構造体に錆が発生することも想定されます。

鉄骨造だから半永久ではなくその周辺のメンテナンスを出来ていないと、寿命が一気に縮まる可能性が高くなってきます。

鉄骨造のリフォーム相談は建築された住宅会社がベター

鉄骨造住宅のリフォームを考えている方もいるかもしれません。

まず一般の住宅会社や工務店では主に木造建築に慣れていることが多いため、リフォームする部位によっては対応できない可能性もありますので事前に相談が必要です。

ただ、例えばキッチンの入れ替えやトイレの入れ替え程度であれば問題ないですが、間取り自体を変更するぐらい大掛かりなリフォームは、最初に建築された住宅会社に相談をすることをオススメします。

理由としては、構造的に特殊な基準やルールに則って計算などを行われている場合があるためです。

押さえておきたい鉄骨住宅の人気と坪単価

一般的な住宅全体の市場(一般戸建)からみると、鉄骨住宅は1〜2割のニッチな立ち位置になります。

供給している会社数が少ないですが、大手住宅メーカーでの有名どころが鉄骨住宅を主に推進していることから、そこまでの少数派に感じられないかもしれませんが、実際の供給数は少数派になります。

しかし、やはり一定のニーズはあり、上記のようなメリットもあることから人気は非常に高いのが現実です。

ただ、やはり人気でも一般的な地元の中小住宅会社や工務店で、鉄骨を主に扱っていない理由としては坪単価が、木造住宅に比べて高額になる可能性が高いからです。

(鉄骨住宅より高額な木造住宅は、構造や内装に必要以上に高額な材料を使用していたり、超一流設計士による設計があったりする場合ぐらいと想定されます)

一般的な木造住宅は、上下水道工事や土地の造成費用などを除いた建物としての価格では大体40万円前後〜、というのが相場になっています。(35坪〜45坪ぐらいの一般的な住宅を想定)

それに対して鉄骨住宅は 大体60万円前後〜、というのが相場かと想定されます。

また鉄骨住宅の主流の、積水ハウスの鉄鋼では坪単価は70万円以上〜、となっています(間取りや、設備のレベル、地域差でかなり変動します)

結局、どんな方が鉄骨住宅に向いているか?

上記、特に2で記載の通り、

  • 耐震性能が非常に高いこと
  • 間取りの自由度が高いこと

から、間取りプランと基本的な住宅の性能を両立させた住宅の建築を考えられている方は鉄骨住宅を選択されることに向いている、と言えるのではないでしょうか。

あとは断熱性が木造に比べて低いため、寒冷地には断熱性を高める必要があります。

また、坪単価も高額にってくることを考慮すると、土地をすでにお持ちの方(親族の土地を譲り受けたり、土地を既に所有されている方など)は、建物だけの費用で済むので、建築の選択肢に入れやすいかと思います。

一方で、土地を同時に購入される方は、土地の金額が住宅ローンに組み込まれてくることを考えると、所得がかなり無いと厳しくなる可能性が高いです。

仮に坪単価が70万円として、40坪の住宅で2,800万円が住宅本体となります。

これに付帯工事(上下水道工事等)が仮に500万円、申請諸経費などが100万円としたら合計で3,400万円です。

35年ローンで組むとすれば、約113,000円(35年、元利金等、2%)になります。

土地が仮に2000万円とすると、約180,000円になってくるため、現実的に厳しくなるため、このことから費用の面が一番のネックで、ここが問題ない方が一番鉄骨住宅に向いているのかもしれません。