こだわりやセンスをお持ちの方に特に人気の無垢フローリング。
本物の木ならではの、肌触りが高級感を味わうことができ、近年特に注目を集めています。
フローリングは人が住宅の中で1番触れ合う時間が長く、目にする機会が最も多い建材。
だからそこ、できれば健康的で美しいもの、長く飽きない素敵なものを選びたいですよね。
そんな中で「無垢材は床暖房には向かない」という話を耳にしたことはありませんか?
その答えは「どちらかというとイエス」です。どちらかといえば?
では無垢フローリングと床暖房を両立させたい時はどうすればいいの?
そこで今回はその詳しい内容と対策、床暖房対応フローリングを取り扱うメーカーなどについてご紹介したいと思います。
この記事の目次
床暖房について
床暖房とはフローリングの下に設置された装置から熱を出し、足元から部屋を温める設備です。
床暖房には「電気式」と「温水式」があり、電気やガスを使います。
エアコン暖房で、顔や上半身だけ暑いのに足元はひんやり…といった経験はありませんか?
エアコンのみの暖房の場合、熱は上部に流れる性質のため温かい空気が室内の上部分に溜まりがちになるのです
しかし床暖房は室内の下から徐々に空気が暖まっていくため、気温のムラが出来にくいのです。
そして何より「コタツ」や「足湯」と同じような、足元から全身がぽかぽかと温まっていく心地よさを味わえます。
他にも「ホコリが飛ばない」「乾燥しない」「火を使わないので赤ちゃんや子供がいる家庭でも安心」といったメリットがあります。
無垢と合板フローリングの特性をおらさい
床暖房にする場合、普通のフローリングではなく「床暖房対応フローリング」を張らないといけません。
それはなぜでしょう?
その前に一度、無垢と合板それぞれのフローリングのメリット・デメリットをおさらいしてみましょう。
無垢フローリングのメリット・デメリット
無垢フローリングの1番のメリットといえば、本物の木材ならではの美しさと高級感、肌触りでしょう。
そして長年生活をしているうちに、徐々に色合いが変化したり、つやつやとした光沢が出てきたり。
たとえ傷がついたとしても、それもまた「味わい」へと進化していく…まさに「経年劣化」ではなく「経年美化」という言葉がぴったりです。
ではどんなデメリットがあるのでしょうか?
一番は割高であること。
合板と違い1枚板なので、1本の木から取り出せる数に限りがあるのです。
そして木の性質による「反り」や「ねじれ」、「伸縮」が発生する場合があります。
他にも水や汚れに弱く、しみになりやすいといった点が挙げられます。
合板フローリングのメリット・デメリット
合板フローリングのメリットとは。
なんと言っても種類が豊富で機能性が高いことです。
無垢に比べて節目や色むらがなく、見た目がきれいだったり、傷がつきにくいもの、滑りにくいもの、ワックスなどの手入れが不要なものなど、たくさんのバリエーションがあります。
他には、無垢に比べて割安(※中には無垢よりも高い高級合板フローリングもあります)であること、無垢のような「反り」や「伸縮」などがほとんど発生しない点などが挙げられます。
ではデメリットの方はどうでしょう。
やはり無垢材に比べ、高級感や肌触り、踏み心地などが多少劣ります。
中には肌触りが「夏にベタベタ、冬にひんやり」と感じられてしまうものも。
さらには水や日差しの影響で表面の薄い木が割れ、凹凸が出来たり剥がれたりする場合もあります。
無垢材は床暖房に向かないとされるのはなぜか?
近年特に人気の無垢フローリング。
健康志向も影響して、無垢材を製造・販売するメーカーは増加しています。
しかし、「床暖房対応の無垢材」となると、その数は一気に減少します。
その原因は上記した、木の性質である「反り」や「伸縮」のため。
通常の無垢材でもそれらが発生するのに対し、床暖房の熱が加わると、さらにその現象が発生しやすくなってしまうのです。
もちろん床暖房用の無垢フローリングは、これらが発生しないよう、メーカー側も努力されていますが、それでもどうしても多少は木の凹凸がでたり、歩いた時にミシミシと音がする、といた現象が起きてしまうのです。
床暖房対応フローリングのメーカー
では「床暖房対応フローリング」を扱うメーカーのご紹介です。
床暖房対応無垢フローリングを製造・取り扱うメーカー
- マルホン
- ウッドワン
- 北恵株式会社
床暖房対応合板フローリングを製造・取り扱うメーカー
こちらは無垢材に比べて、大手住宅設備メーカーから建材メーカーまでありとあらゆる企業・メーカーが製造・取り扱いを行なっています。
もちろん、ブランドや金額までも様々です。
金額
床暖房工事は通常の張り替え工事とは異なり「床暖房設備」や「工事費用」など大がかりになるため、今回は基本的なフローリングの材料費のみのご説明をさせていただきます。
- 床暖房対応合板フローリング⇒7,000円〜20,000円/1坪
- 床暖房対応無垢フローリング⇒1,5000円〜 30,000円/1坪
※一坪とは約3.3㎡(約タタミ2枚分)の広さです
結論として床暖房にはどのフローリングを選べばいいの?おすすめは?
無垢と合板、それぞれにメリット・デメリットと、製造・取り扱いのメーカーをご紹介させていただきました。
どちらかのフローリングを選んだ場合、どちらかのデメリットに目をつむるしかないのでしょうか?
実は無垢材と合板、そのどちらのメリットを兼ね備えたフローリングがあるのです。
突き板フローリング
それは「挽き板フローリング」と呼ばれる、無垢風の合板のフローリングです。
普通の合板フローリングと何が違うのでしょうか?
それは、表面の木材の厚みです。
一般的な合板フローリング(突き板と呼ばれるもの)の表面の木材が通常0.3mm程度なのに対し、挽き板フローリングの表面の木材は訳2mm〜6mmほどあります。
この厚みの違いだけで、ほとんど無垢フローリングのような見た目と質感が味わえるのです。
さらに基本は合板なので、「反り」や「膨張」の心配もほとんどなく、何より無垢材よりも費用が抑えられます。
突き板フローリングだから出来ること
ここ数年で人気が出てきたのが「幅広(ワイドタイプ)のフローリング」。
一般的なフローリングの幅が9mm程度に対し、「幅広」は120mm以上のものを指します。
幅広のフローリングは室内が広く見える、木目の重厚感を楽しめる、高級感がある、といった理由で大変人気です。
無垢材の幅広のフローリングを選んだ場合、通常幅よりも値段が上がり、さらに床暖房対応のものとなるとそこからさらに値段が上がることになります。
しかし突き板フローリングでは、コストを抑えながら床暖房に対応の幅広の無垢風フローリングを楽しむことができるのです。
突き板フローリングのメーカー
では突き板フローリングを製造・取り扱っているメーカーをご紹介します。
今回ピックアップしたのは4社のみですが、昨今の技術力や進歩は目まぐるしいため、「突き板フローリング」に限らず今後も多くのメーカーや企業が新製品の発売や開発を進めると思われます。
そのため、その都度の新しい情報のチェックが必要になってきます。
【突き板フローリングのメーカー】
- イクタ
- EIDAI(永大産業)
- 朝日ウッドテック
- 住友林業クレスト
金額
こちらも基本的なフローリングの材料費のみのご紹介します。
- 床暖房対応突き板フローリング 1,0000円〜30,000円/1坪
まとめ
いかがでしたでしょうか?
健康にいいとされる「頭寒足熱」の床暖房。
そして住宅の中で1番視界に入り、触れ合う時間も最も長いフローリング。
上記でもご紹介したように、数多くの企業やメーカーがありとあらゆる種類のフローリング材を販売しています。
迷って決められないように思えますが、ポイントをおさえれば必ず「これだ!」というフローリングが見つかるはずです。
質感などの確認のためにもご自身でショールームなどに足を運んでみるのもおすすめです。
こちらの記事が素敵な住まい作りの参考になれば幸いです。