新築の窓選びで失敗しない10の新基準

窓選びの新基準

子どもに「おうちの絵を描いてみて」と言うと、三角の屋根に窓枠のついた窓のある絵を描くことが多いですね。

光や風を室内に取り込み、外観の印象にも大きく関わる窓は、家にとって欠かせない存在です。

でも、新築する際に窓を重要視される方はそれほど多くないのではないでしょうか?

今回は、住んでから「こうすれば良かった!」と後悔しないために、新築の窓選びで失敗しない10の新基準についてお伝えしていきます。

窓の種類について

まずは、窓の種類について基礎知識を確認しておきましょう。

住宅で最もよく使われているのは引き違い窓という左右に開くタイプの窓で、大きさによって

  • 「掃き出し窓」
  • 「腰高窓」

に分けられます。

「掃き出し窓」は、天井近くから床までの高さの人が出入りできる窓です。

「腰高窓」は、腰から上の高さの壁に付ける採光や通風のための窓です。

腰高窓の下には家具を置くことができますが、掃き出し窓の前に置くことはできません。

引き違い窓の他にも、以下のように様々な種類の窓があります。

  • 上げ下げ窓:上下にずらして開閉する窓。洋風建築でよく見られる
  • 滑り出し窓:縦または横の一辺を軸にして開くことができる窓
  • ルーバー窓:細いガラスが何層も連なる窓。ハンドルなどを回して開閉する
  • FIX(はめ殺し)窓:開閉できず、採光や眺望を得るための窓

その他、天窓(トップライト)、地窓、出窓などもあります。

窓のメリットとデメリット!新築するなら知っておこう

窓には、室内に光を届ける、通風や換気をする、部屋の温度を調整するなどの役割がありますが、うまく配置しないと日差しが入りすぎて暑い、日当たりが悪すぎて暗いなどの問題が生じます。

また、日当たり重視!とばかりに窓を沢山付けすぎると壁が少なくなり、家具の置き場に困ることもあります。

これらのことから、新築の窓選びは、部屋の間取りと同時進行で考えていった方がよいことが分かります。

窓選びで知るべき10の知識

では、実際にこれから新築を建てる方がどのような観点で、窓選びをしていけばよいのでしょうか?

以下の10のポイントを頭に入れながら窓を選んでいけば、失敗することが少なくなります。

1)採光窓の最も大きな目的といっていいのが、光を採り入れること

自然光が十分に差し込めば、日中は最低限の照明で過ごせます

一般的に、高い位置に設けた窓は部屋の奥まで光が差し込むが照度は弱め、縦長の細い窓は照度はあるが照らす範囲が狭いなどの特徴があります。

開け閉めが難しい場所なら、FIX窓を設けるだけでも明るさは確保できます。

また、日当たりがよいと、明るいだけでなく冬の寒さも軽減できます。

2)通風室内に風を取り入れ、流れを作るのも窓の大きな役割

対面の壁に高さの違う窓をつけると空気の対流が良くなります

南側に大きな窓をつけたら、小さくてもよいので北側にも窓をつけましょう。

滑り出し窓は、窓と平行に吹く風を室内に取り込むことができるので、同じ大きさの他の窓に比べてよく風を通します。

また、ルーバー窓は、羽ガラスの開く角度を変えることで風量を調節できます。

家の建つ土地によって風の流れ方が異なるので、近所の家の窓を参考にしてみてもいいかもしれません。

3)部屋の用途建築基準法では、居室には面積の1/7以上の採光が入る窓を付けることが定められています

そのため、家の間取りを考える時は、特に注文しなくても設計図には一定の大きさの窓が付いてきます。

でも、居室をどう使うかある程度シミュレーションできていれば、家具の置き方や、採光メインか通風メインかなども考えながら窓選びができます。

4)方角一日を通してまんべんなく日が入るのは南側

そのため、部屋の南側に掃き出し窓を付けているお宅は多いです。

東側は午前中に日がよく入るので、寝室やキッチンの窓を東側に設けると、すがすがしい気分で一日がスタートできます。

日当たりのよくない北側にはFIX窓や天窓を効果的に用いる、西日のきつい西側には大きな窓を作らないなどの工夫も必要です。

5)位置

腰高窓は、小さい子どもがよじ登って転落する危険がないように、床からの高さが規定されています。

しかし、何も考えずに付けてしまうと、隣家の窓と対面する位置になってしまい、視線が気になることもあります。

もし隣家がすでに建っていたら、隣家の窓との位置関係も気にしてみて下さい。

すりガラスや型ガラスで人の動きを見えにくくする方法もあります。

6)デザイン窓のデザインは、家の外観を印象づける大事なツール

例えば、欧風の家にしたい場合は、脇に飾り雨戸のついた上げ下げ窓を幾つか連続して付けると、ぐっとそれらしい雰囲気になります。

サッシの色も重要で、なるべく家の外壁になじむ色を選ぶと失敗しません。

外から見える位置に付ける窓は、高さや大きさをそろえて統一感を出します。

7)防犯のため

空き巣は、窓からガラスを破って侵入する例が6割以上といわれますが、侵入に5分以上時間がかかると家に入るのを諦めるというデータもあります。

そのため、1階の窓には少し費用をかけて対策を施しておくとよいでしょう

2枚のガラスの間にフィルムを挟んだ防犯ガラスは、割れた時に飛び散りにくく、災害の際などにも役立ちます。

また、細長い縦の滑り出し窓は、不審者の体が入らないので防犯効果が高いといわれています。 浴室など、プライバシーと不審者の両方が気になる場所には、面格子付きの窓を付けると安心度が高まります。

8)掃除のしやすさ

掃除のしやすさという点でいえば、網戸がなく、サッシのレールを掃除する必要のないFIX窓が優れています。

また、滑り出し窓は、窓の一辺を軸にして90度近くまで開くドアのような構造をしているので、外側の窓の掃除がしやすくなっています。

ルーバー窓はガラスが重なり合っている部分があり、完全に汚れを取るのが難しいので、汚れやすそうな場所には避けた方がよいでしょう。

9)防音・断熱

現在、新築の窓は、複層ガラスが標準仕様になっていることが多いですが、この複層ガラスというのは2枚のガラスの間に乾燥空気が入っています。

防音や断熱の性能ランクの高い窓では、空気の代わりにアルゴンガスを充てんしていたり、特殊な金属膜が張ってあります。

ガラスだけでなく、サッシやシャッターなども性能の高いものを併用すると防音・断熱効果が高まります。

10)眺望

家の中から緑の木々や海、夜景など絵になる景色が見える方は、風景を家の中に取り込んで楽しみましょう。

窓枠が額縁、風景が一枚の絵のように見える「ピクチャーウインドー」という手法です。

毎日眺める景色は意外に大事です。

我が家の自慢の窓になるかもしれません。

新築の窓選びの基準まとめ

窓選びも意外と奥が深いですよね。

窓は、カタログで見ているだけではなかなかイメージしにくいので、新築した友人の家を訪ねるなどしてぜひ実物に触れてみて下さい。

自分好みの窓を設計士と相談しながら決めていくことができるのも注文住宅の楽しみの一つです。

素敵な窓のある家づくりの参考にして下さいね。