一人暮らしの平屋を考える。間取りや建築費・4つのポイント

一人暮らしの平屋を考える。間取りや建築費・4つのポイント

住宅ローンが借りやすくなり、マイホームを持ちやすくなった昨今。

一人暮らしでマイホームを!というかたも少なくはないのでしょうか?

しかし、ファミリー向けの住宅情報はたくさんありますが、一人暮らし用となるとなかなか情報がありませんよね。

その中でも、今回は“新築平屋の一人暮らし”について考えてみましょう。

1人暮らしの平屋の基本は1LDKのコンパクトハウス

一人暮らしなのですから、必要以上に部屋数を多くすることはありません。

「せっかくの新築、個室を3部屋、ロフトも作ろう!」

これは、陥りがちな間違いですね。

使わない部屋が多いだけで、建築費用・固定資産税など維持管理費用・家事負担の増加などデメリットが多いのです。

自分一人の暮らしには何が必要か?まずは本当に必要な空間をリストアップしてから間取りを考えましょう。

1人平屋の間取りの考え方

家事動線を優先しよう

一人暮らしで一軒家。当たり前のことですが、炊事・洗濯・掃除など全ての家事を自分一人で行わなければなりません。

そこで大事なのが、動線

例えば、【洗濯室・物干スペース・クローゼット】がそれぞれ隣り合ってなく、リビングを通る間取りだとしましょう。

その場合の洗濯動線は・・・

洗濯室→リビング→物干スペース→リビング→クローゼット

リビングが2回も登場しますね。これを隣同士にするだけで・・・

洗濯室→物干スペース→クローゼット

リビングへの動線が消え、“洗う・干す・しまう”の動線がスムーズになりました。

この要領で、家事が集中する水回りをまとめると、家事動線の良い間取りとなります。

「ちょっとの距離だし気にならないのでは?」

いえいえ、ちょっとの距離だからこそ、ひと工夫することで毎日の家事が楽になるのです。

1日1分、室内の移動時間を削減できたら、1年間で6時間も捻出できますよ。

ライフスタイルに合わせた設計を

当たり前の話ですが、ライフスタイルも人それぞれ。自分に合わせた間取りを目指しましょう。

例えば・・・

  • ・屋外作業で作業服がいつも汚れてしまう仕事の場合
    →洗面・脱衣室・浴室を玄関直通に配置。リビングを汚すことなく着替・入浴が可能です。
  • ・アウトドアが趣味
    →アウトドア収納は駐車スペース後ろに配置。道具の積下ろしが楽々に。
  • ・朝が苦手で少しでもベッドに居たい。
    →寝室・クローク・洗面所・トイレを直通動線に。忙しい朝の支度時間が短縮されます。
  • ・わんちゃんは大切な家族。
    →庭に屋根付きのスペースを。雨の日や忙しくて散歩に行けない時、手軽にお外遊びができます。

自分一人の住宅なのですから、好きなようにカスタマイズしたって良いんです。新築平屋の大きなメリットですね。

1人暮らしの平屋の建築費用は500万円〜1,000万円

ファミリー向けの新築住宅に対しては多くの情報を得られますよね。

一人暮らし用平屋の場合はどうでしょう?

コンパクトサイズの平屋、実は建築費用について、特に注意が必要な住宅なのです。

1人平屋の費用の考え方

小さな平屋だからコストは掛からなさそう・・・、と思いがちですが、実際はそうでもないのです。

仮に同じ坪数の平屋と2階建ての場合、平屋のほうが割高になってしまいます。

関連記事:これで全部!平屋住宅のメリット・デメリット

また、同じ平屋でも坪単価計算をすると、坪数の小さいほうが割高になります。

それはなぜか?大きな要因はキッチンなどの住宅設備です。

床面積にかかわらずキッチン、お風呂などは必ず必要ですよね。

例えば、120万円でキッチンとお風呂を施工するとして・・・

  • 120万円(キッチン・お風呂)÷30坪=4万円(坪単価)
  • 120万円(キッチン・お風呂)÷10坪=12万円(坪単価)

・・・となり、単純に坪単価計算すると8万円もの差ができてしまいます。

このように、ひとくくりに坪単価だけで検討すると、思わぬ計算違いを起こしかねません。

また、坪単価は基本的に本体工事価格を坪数で割るが一般的です。

・・・が、この本体工事にどこまでの内容が含まれているかも建築業者によって異なるのです。

平屋10坪・1LDKの場合の費用

おおよその金額イメージを業者別に例をあげてみます。

  • 地域の工務店:約500万円~700万円
  • 大手ハウスメーカー:約800万円~1,000万円

かなりバラつきがでますね。

コンパクトハウスの場合、ひとつひとつの工事価格の違いが総額に反映されやすいため、事前に試算するのは難しいものなのです。

例えば、地域によってコンクリートや木材単価など違いがあるため、全く同じ建物を別々の地域で建てても、同じ建築費用とはいきません。

解決策は次のテーマをご覧ください。

きちんと見積書を貰おう

前述した通り、建築業者の違いや坪数が小さかったり、坪単価だけで考えると金額がみえにくいものです。

ではどうすれば良いでしょうか?

答えは簡単、建築業者から正式な見積書を貰いましょう。

建築敷地の情報、大体の間取りがあれば見積は可能なんです。

手元に見積書があるだけで計画はより具体的になりますし、銀行への住宅ローン相談もしやすくなります。

ちなみに、見積を渋ったり、口頭でおおまかな金額しか言ってくれない業者は危険なので注意しましょう。

見積書の見るべきポイント

見積書は各業者によって書式も勘定科目も大きく異なります。

そして専門用語が多く、見るのが大変。

“何が含まれていて、何が含まれていないのか”

これを念頭においておきましょう。

例えば、[本体工事]という項目があったとして、この中にキッチン工事は含まれているでしょうか?実は建築業者によって含まれていたり、別項目だったりします。

特に見落としがちなのが、TVアンテナや水道メーター費用など、普段あまり意識していないものについて。

住宅の場合、ひとつ数万円の項目が多いので特に注意しましょう。

関連記事:3LDK平屋住宅の間取りと建築費用

コストを抑える3つのアイデア

労力は必要になりますが、複数の建築業者から見積を貰うことをおすすめします。

1人暮らしの平屋の間取り例・3つ

1.シンプルな10坪プラン。

シンプルな10坪プラン

参照URL:平屋の窓

コスト的に一番有利な間取りです。

 

2.動線重視のプラン。

動線重視のプラン。

参照URL:平屋の窓

寝室から直接水回りにアクセスできるプランです。

3.将来を見据えたプラン。

将来を見据えたプラン

参照URL:平屋の窓

北側と東側に増築がしやすいプランです。

以上を設計ボリュームの参考に、自分のオリジナリティーを加えていくことが理想のプランニングへの近道です。

独身平屋の将来設計

長い人生、色々なことが起こります。障害を抱えてしまったり、突然の運命の出会いで結婚するなんてことも。

建築前にできるだけ備えておきたいものですね。

バリアフリーに

最近の住宅はずいぶん段差が少なくなりました。

更に以下のことに気を付けるだけでよりバリアフリーな住宅を建てることができます。

  • 将来手すりを取付しやすいよう、壁には下地を。
  • 出入口はなるべく引戸に。
  • 玄関には車いす用スロープ施工。

特に単身者の場合はスロープや引戸など、実際必要になってからでは遅いのです。

増改築しやすい建物に

結婚してそのまま住む場合、どうしても家が手狭になるでしょう。

基本的に新しく新築するより増改築したほうがコストは安く抑えれます。

ただ、凹凸が多く奇抜な間取りだと、かえって高くついたり、なんてことも。

基本的に四角形をきれいに組み合わせた間取りだと柱や梁が規則正しく通っており、増改築し易いです。

また、少し広めの土地を選定しておいて将来の増築に備えるのも良いでしょう。

不動産運用も視野に入れておこう

そうはいっても状況がガラリと変わり、住み替えが必要な場合はどうしたら良いでしょう?

せっかくの不動産資産、賃貸住宅として有効に運用してみるのもひとつの手ですね。

そのために抑えておくポイントは、

  • 最寄公共交通機関へのアクセス
  • 近隣の土地柄、家賃相場
  • 近くにスーパー、公園などあるか?

など、可能な限り賃貸を想定した土地選定を行っておくと後々運用しやすいです。

また、この条件は不動産運用をするしないに限らず、家づくりに大切なポイントにもなるので、おさえておいて損はないはずです。

まとめ

一人暮らし用の平屋の場合、一般的な新築住宅と異なる検討ポイントが数多くあります。

また、住宅という大きな買い物をひとりで背負うプレッシャーも。しっかりと検討をかさね、理想の自分の城を手に入れましょう。