【もう迷わない】強度を決める構造用合板の種類や価格、使い方を徹底解説

【もう迷わない】強度を決める構造用合板の種類や価格、使い方を徹底解説

構造用合板は、建物の強度が必要な場所に張る合板。

どんな板なのかはわかるけれど、種類がたくさんありすぎてどれを選べばいいのか迷っていませんか!?

コンパネとかベニヤとか、似たようなキーワードもたくさんありますよね。

そんな方のために、一から十まで構造用合板についてご紹介します。

①合板の基礎知識

まず、丸太をカツラ剥きにして薄い板(単板やベニヤ等といいます)を作ります。

その板を、繊維方向が1枚ずつ直行するように接着剤を使って貼り合わせた板のことを合板と呼びます。

ー合板?ベニヤ?コンパネ?違いは何!?

たしかに、このキーワードをよく聞きますね。

  • ベニヤ:1枚の板の事。
  • 合板:ベニヤを合わせた板の事。
  • コンパネ:正確にはコンクリートパネルを省略した言葉で、コンクリートが固まるまで、流れないように押さえている板の事。

コンパネは表面には油を吹きかけていて、コンクリートが固まったらはがれやすいようにコーティングされています。

ただ、現場では、合板のことを、コンパネと呼ぶ職人さんもいますし、合板のことをベニヤと呼んだりもします。

ー合板の種類

合板にもたくさんの種類があります。

  • 構造用合板
  • コンクリート型枠用合板(コンパネ)
  • 普通合板
  • 天然木化粧合板
  • 特殊加工化粧合板

これらを総称して合板と呼ぶのです。

その一部をご紹介します。

・普通合板(ラワン合板・しな合板)

合板の代表格ともいえます。とても硬くて、重く、加工も難しいです。

ラワン合板は、広葉樹がベースとなっているので、成長が遅くゆっくりと時間をかけて大きくなった材料です。

そのため、隙間がなく中身がつまっています。

構造用合板やラーチ合板より、きれいな仕上がりなので、ビニルクロスを上から貼ったり、塗装したり仕上げ用に使われることもあります。

合板のなかでも、

  • コンクリート型枠用合板
  • 構造用合板
  • 化粧ばり構造用合板
  • 天然木化粧合板
  • 特殊加工化粧合板

上記以外のものを総称して呼びます。

・針葉樹合板(構造用合板・ラーチ合板)

針葉樹合板は、いわゆる構造用合板、ラーチ合板のことです。

住宅では、床、壁、屋根、に利用されています。

例えば、壁に何かを掛けたいとき、釘やビスがきちんと留まるように下地としても使うことがあります。

ラワンと比較すると多少軽いです。

・コンクリート型枠用合板(コンパネ)

前述した通り、コンパネと呼ばれています。

基礎等を作るときにコンクリートを打ち込み、形を成形するための型枠として使用する合板。

・ファルカタ合板

初心者でも扱いやすい合板です。加工のしやすさから、DIY合板とも呼ばれています。

耐久性も、ラワンやラーチより低いので屋外や床や壁に使用することはやめましょう。

・シナ合板

普通合板のなかでも高級で、家具や内装仕上げにも使われる人気の合板でもあります。

色味は白っぽく、表面がシナ材で、見えない中にはラワンが使われています。

・OSB合板

  • オリエンテッド
  • ストランド
  • ボード

の略です。これは木材チップを集めた板のことを指します。主に針葉樹を使用しています。

表面がツルツルしており、重さも重い為加工しずらいのが特徴です。

その分、強度も十分なため構造用合板として利用されることもあります。

・化粧ばり構造用合板

構造用合板の表面に化粧単板を貼ったもののことを指します。

用途としては、構造用合板と同じです。

・天然木化粧合板

普通合板の表面に、天然銘木(チーク/ローズウッド/ウォールナット/スギ/スプルス/ナラ等)の薄い単板を貼ったもの。

家具に用いられたり、内装の仕上げ材として使用されたり、よく使われている材料。

・MDF

合板ではないですが、見た目は合板のような板で、100円ショップにもおいてある身近な板材です。

木くずより小さく分解された材料を圧縮してボードにしています。

とても扱いやすく、安価なのでDIYでもよく使われています。

ただ、木材ではなく、どちらかというと紙なので、水には弱い性質です。

②構造用合板の基礎知識

構造用合板とは、建築用材料として使用されるものです。

基本的には、下地として使用されるもので表面にでてくるものではありません。

ですが、節や割れもデザインとして、木工用や仕上げ材として使用されるケースも増えてきています。

構造用合板

ー構造用合板の種類

構造用合板の品質は9つに分類され、表面の板と裏面の板の品質をアルファベット2文字の記号で表されます。

また、強度試験の種類によって、1級と2級の等級に分かれています。

さらに、接着剤の耐久性によって特類と1類の種別もあります。

・1級と2級

JASの規格上、強度試験の種類で決まりますが、

  • A~Dで表す1級の構造用合板は主にラワン合板
  • E~Fで表す1級2級の構造用合板は針葉樹合板

のことを指します。

・特類と1類

接着剤の耐久性によって、特類と1類に分けられ、構造用合板の場合は、特類か1類のいずれかに属しています。

特類の構造用合板は、接着剤の耐久性が確保されているので、外壁や屋根の下地材として利用されます。

1類の構造用合板は、防水処理された外壁、屋根、間仕切り壁、床の下地として利用されます。

③合板の規格寸法・規格サイズ・規格厚み

ー合板によって、多少寸法が変わりますが、代表的なものをご紹介します。

一般的に尺モジュールのサイズになっていますが、メーターモジュールのサイズもあります。

合板の種類 厚さ 長さ
普通合板 2.3mm
2.5mm
2.7mm
3.0mm
3.5mm
4.0mm
5.5mm
6.0mm
9.0mm
12.0mm
15.0mm
18.0mm
21.0mm
24.0mm
910mm 910mm
1,820mm
2,130mm
2,430mm
2,730mm
3,030mm
610mm
760mm
1,220mm
1,820mm
850mm
1,000mm
2,000mm
1,220mm 2,430mm
構造用合板 5.0mm
5.5mm
6.0mm
7.5mm
9.0mm
12.0mm
15.0mm
18.0mm
21.0mm
24.0mm
28.0mm
30.0mm
35.0mm
900mm 1,800mm
1,818mm
910mm 1,820mm
2,130mm
955mm 1,820mm
1,000mm 2,000mm
1,220mm 2,440mm
2,730mm
コンクリート型枠用合板 12.0mm
15.0mm
18.0mm
21.0mm
24.0mm
500mm 2,000mm
600mm 1,800mm
2,400mm
900mm 1,800mm
1,000mm 2,000mm
1,200mm 2,400mm

ーよく使われる尺寸法での呼称

大工さんが「サブロク」とか「シハチ」とか、聞きなれない単語で指示を出している場面を見たことはありますか?

現在も尺モジュールが使われていますので、慣れるまでに少し時間がかかりますね。

呼称 長さ
サブロク 910mm(3尺) 1,820mm(6尺)
サンパチ 910mm(3尺) 2,440mm(8尺)
サントウ 910mm(3尺) 3,030mm(10尺)
シハチ 1,220mm(4尺) 2,440mm(8尺)
ニハチ 610mm(2尺) 2,440mm(8尺)

④針葉樹合板と広葉樹合板の違いと環境問題

数年前まで、「構造用合板」といえば、熱帯林でとれるラワンと呼ばれる「広葉樹」がよく使われてきました。

節(ふし)が入っていない木材が多いので、合板になった時の面がきれいで、そりなども少ない優れた木材といわれています。

広葉樹は、どちらかというと暖かい地域に多くあり、例えばアマゾンの熱帯林は広葉樹林です。

日本では、針葉樹が人工林に多く植えられています。

地球環境の破壊が問題となっていますが、熱帯林の減少も原因の1つという理由から、木材の利用が「広葉樹」から「針葉樹」へと転換が進められてきました。

日本を代表するハウスメーカーも、数年前から輸入広葉樹合板の使用をやめ、カラマツやトドマツなどの針葉樹合板を使用し始めています。

ー広葉樹合板

非常に硬い性質を持った材用です。表面がすべすべしていて、見た目も綺麗です。

ー針葉樹合板

表面がざらざらしていて、節に凸凹もあります。値段も広葉樹合板に比べると安価です。

針葉樹合板

⑤構造用合板の相場価格

住宅で使用する代表的な壁と床に使うサイズの価格です。参考にしてください。

長さ 厚み 相場価格
壁合板 特類1級 910mm 3,030mm 9mm 1,900~2,500円
壁合板 特類2級 910mm 3,030mm 9mm 1,800~2,400円
床合板 特類2級サネ付き 910mm 1,820mm 28mm 2,900~3,500円

木材は、毎月価格が変動するので、その都度見積もりをもらうようにしましょう。

⑥構造用合板9mm、12mm、24mm、28mmの違い

構造用合板には、いくつもの厚みがありますが、この

  • 9mm
  • 12mm
  • 24mm
  • 28mm

がよく使用されます。

ー9mm、12mm

壁用に使用されることが多いです。

構造計算上、軸組工法の場合厚さ7.5mm以上、かつ、N50釘を用いて外周部・中間部ともに150mm間隔で間柱に直接打ち付けることにより、壁倍率2.5倍の耐力壁を作ることができます。

ー24mm、28mm

床用に使用されることが多いです。

構造計算上、軸組工法の場合厚さ12mm以上、かつ、N50釘を用いて外周部・中間部ともに150mmピッチで根太に直接打ち付けることにより、床倍率2.0倍の耐力床を作ることができます。

まとめ

構造用合板は色んな種類があり、接着剤も使用することから、シックハウス症候群・化学薬品への反応を起こす可能性があると考えられます。

ですが、現在は建築基準法によりホルムアルデヒドの放散量を制限しているので、きちんと日本農林規格(JAS)で定められた規格に則っているものが流通しており、安心して合板を使用できる環境が少しずつ整えられています。

全てのアレルギー症状が出ないという事ではないですが、今後さらに、より安心できる資材や建築環境が整えられるよ良いですね。