「アイランド = 島」という呼び方をする、アイランドキッチンとはキッチン本体が、壁などに隣接せず独立した「島」のように配置されて、歩いてまわりを一周回れるキッチンの一般的な名称になります。
特に、新築の時には奥様が一度は憧れるアイランドキッチンでしょう。
でも、やみくもにアイランドキッチンを設置しても、後悔することが多くあります。
では、
- どういう基準で選べば良いかのコツ
- レイアウトや種類といった基本的なポイント
を始めとして、コレを知っていれば後悔しないためのノウハウをまとめましたので、アイランドキッチンに興味のある方は是非最後まで読んでみてください。
この記事の目次
1.アイランドキッチンのレイアウトと種類
アイランドキッチンは間取りの構成によってレイアウトがかなり左右されます。
逆に言えば、キッチンが主役の間取り構成で、ダイニングキッチンの間取りを考えるとこができるため、キッチンにこだわりたい奥様にはもってこいのぴったりなプランが見つかる可能性が高いです。
まず、レイアウトは独立しているから何でもいい訳ではなく、テーブルとの配置バランス(ダイニングの使い方)や、キッチン本体とダイニングテーブルの大きさがポイントになってきます。
レイアウトのパターン
- 対面形式にする配置
- リビングダイニング側から見てキッチン本体が縦になっている配置
のどちらが一般的です。
対面式アイランドキッチンは、部屋全体の幅を大きく
まず対面式でアイランドにしようと思うと、部屋全体の幅が多めに必要になってきます。
通常の対面式であれば、所謂2間(柱芯々3640ミリ)の大きさが一般的によくある幅ですが、ここにプラス半間(910ミリ)以上の幅がアイランドキッチンには必要です。
ダイニングのテーブルは独立して配置する形になることが多いので、ダイニングのスペースの確保もテーブルの大きさを考えて、間取りを構成していきます。
またキッチン本体が縦になっているパターンの場合は幅が2間以上で設置可能ですが、反対に縦側にダイニングキッチンが伸びるような、間取りのプランニングになるため、必要になってくる大きさは同じぐらいになります。
またキッチンによっては、ダイニングテーブルと一体型になったようなキッチンもありますので、料理を主にする方の家事動線や、思い描いているキッチン像をある程度固めて、間取り構成と共に考える方がよいです。
2. アイランドキッチンのメリットとデメリット
2つのメリット
これについては大きく2点あります。
1つ目:部屋全体が大きく、スタイリッシュな空間演出ができる
開放感がありリビング~ダイニング~キッチンが繋がっているプランでは特に部屋全体が大きく見える点が一番のメリットではないでしょうか。
また同時に空間としては非常にスタイリッシュな空間の創出はしやすくなります。
キッチンはインテリアを考えるうえでは、欠かせない大きなポイントになってきますが、お部屋全体のコーディネートをスタイリッシュにしたい場合は、アイランドキッチンでのプラン構成がおすすめです。
メーカーのキッチンでも特に、アイランド形式のプランではオシャレなキッチンがオーダーできたり、トーヨーキッチン等の高級キッチンは、アイランドにして「魅せる」スタイルが主流であったりします。
※参考URL:https://www.toyokitchen.co.jp/ja/collection/kitchen/ino.html
2つ目:大人数で料理が楽しめる
パーティがしやすく大人数での料理が楽しめることです。
キッチン本体の周りを自由に動けるということで、大人数が集まってにぎやかな休日を過ごしたい!という方はぴったりのキッチンです。
デメリットは大きなスペースが必要ななこと
最大のデメリットは、大きなスペースが必要、ということです。
アイランドキッチン自体の寸法が2550mm前後~となり、平均的な大きさとしては2700mm前後~3000mmぐらいのキッチンが多く、対面式に比較すると大きなりがちです。
アイランドキッチンに必要な部屋畳数としては、約8~10帖以上ある方が理想です。
通常の対面キッチンであれば、キッチン空間としては約5帖~6帖の大きさがあれば問題ありませんが、アイランドキッチンにすると、キッチン横とキッチン前の回遊できる空間を増やすため最低でも約8~10帖以上、必要なスペースとしては増えることになります。
また通常の壁付型や対面型に比較すると、キッチン本体の金額があがってくる可能性が高いです。
各メーカーで差はありつつも、同じ機器を入れていても本体の金額が1~4割増になってきます。
新築であれば、スペースをとるために住宅全体のコストがあがってきたり、キッチン本体も金額があがってくるので、ご自身の家づくりでかけるおカネとのバランスが難しいです。
3. アイランドキッチンの油ハネなどの心配事
こういったオープンなキッチンのパターンの際に皆さんがよく気にされるのが、壁がないために油ハネの心配や、生活感が出ないようにするための工夫ができるか?です。
心配事1:油ハネ
この油ハネを解決するためには、アイランドキッチンの場合圧倒的に熱源をIHヒーターにしていただくのをオススメします。
理由は2つ。
1つは、ガスに比べてIHは上昇気流が少ないので天ぷら等の揚げ物をしても油が部屋全体に拡散しにくいのでIHがオススメです。
ガスコンロで揚げ物をすると、部屋全体がベトベトするという現象は、ガスコンロの火の熱に乗って油が部屋全体に拡散されるため起こります。今のIHはガスよりむしろ火力も強いため料理も早く問題なく行えます。
2つ目は、近くにいっても熱くないことです。
通常対面式の壁があるプランでは、熱源側に壁を持ってくることがほとんどですが、アイランドキッチンの場合は、回遊性があるため横を通過したりする場合がありますのでガスよりIHの方が熱さを直接的に伝えないため、オススメです。
心配事2:生活感を出さないための工夫
こちらに関しては都度掃除や整頓を心がけることが一番の方法ではありますが、対策方法をお教えします。
キッチンを選ぶ際に、今ご自身のキッチンの見えるところに何が置いてあるか?の確認と、それらが新しいキッチンにしたら、収納できる箇所があるか、収納の機能性もしっかり確認してください。
例えば、調味料が見えている方は、コンロの横の収納に入りきるか?食洗機をつけずに収納にするか?などをプランの際に考えてみた方がいいです。
一般的に2550ミリ~2700ミリの大きさのキッチン本体ではコンロ下とシンク下に鍋やフライパンを入れる、大きい引き出し収納はついていますが、食洗機を導入すると小さな収納スペースが意外とないので、食洗機の使用と収納を増やすこと、どちらを優先するかの天秤はあなた次第です。
心配事3:コンセント
最近は調理家電が増えてきており、様々な種類が豊富にあるため、普段から活用されている方も多いのではないでしょうか。
アイランドキッチンで心配事としては、コンセントの位置が難しいということです。
解決方法は主に2つです。
1つは、床に収納のコンセントを設置するパターンです。
これについては普段もコンセントの位置が段差になったりするため、簡単な方法ではありますがつまずいたりする可能性もありますので、その点を理解した上で設置することをおすすめします。
2つ目は、キッチン本体にコンセントを設ける方法
キッチン本体にコンセントがあるメーカーは限られており、そのメーカーのキッチンを選択るか、もしくは現場で改造をしてキッチンの横側等に設置する方法があります。
いずれにしても、本体に最初から内蔵されていればいいですが、コンセントの位置などは苦労するポイントになってきます。
アイランドキッチンを検討する際は、コンセントの設置位置は考慮すべきポイントになります。
4.アイランドキッチンの収納について
アイランドキッチンのプランの際に皆さん収納を気にされる方が多いですが、
通常の吊戸棚がない対面式と収納量は変わらないので特段気になさる必要はないと思われます。
現在のキッチンの主流は、大半が引き出し式なので昔のキッチンから比較すると収納量も多くなっておりますので、心配な方は各メーカーのショールームなどで確認されることをオススメいたします。
またアイランドキッチンの場合は、キッチン本体のダイニング側に収納があるタイプも中にはありますので、魅せる収納と、物をしまう収納を分けてプランすると、より素敵なキッチンになります。
カップボード(背面収入ユニット)もオススメ
気になる方は、カップボード(背面収納ユニット)を充実させることをオススメします。
先程の話で、食洗機を優先させたい方は、カップボード側に細かいものを収納できる箇所を設けましょう。
引き出しプランの方が一般的には高くなりますが、例えば調味料や菜箸、ラップ等の細々したグッツは引き出し収納が便利なので、観音開き収納でなく引き出しを設けて収納しましょう。
5. アイランドキッチンのメーカーと気になる値段の話
ここまできたら、アイランドキッチンを選ぶ際に、どういったメーカーがあるかと値段をご紹介します。
アイランドキッチンは種類も豊富ですので、一般的なメーカーキッチンという選択肢と、一般造作での創作キッチンが可能な住宅会社であれば、選択肢が2つあります。
メーカーキッチン
代表格はトーヨーキッチンです。
デザイン性は独特かつ唯一無二な存在です。
しかしお値段が他の一般的なメーカーと比較して圧倒的に高いです。(割引などが一切ない)施工も特殊なため、全体的には数百万円~となってくるキッチンになります。
一般的なメーカーでは、
- リクシル
- TOTO
- パナソニック
- タカラ
- クリナップ
などが有名です。
各社色々なグレードのキッチンがありますが、松竹梅のような形でグレードが設定されています。
普及グレードでも、アイランド型のキッチンをプランすることは可能ですので、費用を抑えたく、使い勝手を優先したい方や、創作キッチンが対応できない場合は上記のメーカーで好きなところや、住宅会社によって割引率が異なったりすることもあるので、新築やリフォームをする会社に相談してみましょう。
費用としては、対面式や壁付けキッチンに比べて、キッチン本体も高くなってきますが、施工費用も少し割高になります。
100万円前後~設置可能になってくると思われます。
創作キッチン
創作キッチンは字のごとく、無限大に可能性があります。
天板の素材や、扉材・本体・レイアウトに関しても自由自在に作成できるため、プランが難しいですが、どうしても譲れないこだわりがある方は、インスタなどのSNSで見つけた画像などを住宅会社さんへ見せて相談してみるのもいいでしょう。
費用を極限まで抑えることも可能なので、費用は数十万円~となってきます。
アイランドキッチンについての話まとめ
以上のことをまとめると、
スタイリッシュなデザインや、キッチンを中心とした間取りにこだわりたい方にはアイランドキッチンは非常にオススメなキッチンとなります。
皆さんが思っていた以上に、オープンなことによるデメリットは、機器やプランによって解消することができると思うので、間取りを考えていただく際に住宅会社の担当者とよく相談してみてくださいね。