【一軒家の新築や購入前に!】営業マンは教えてくれない7つの重要点

【一軒家の新築や購入前に】営業マンは教えてくれない7つの重要点

「一軒家を建てようか」「買おうか」と考えたとき、多くの人は不動産会社や住宅展示場に足を運びます。

でも営業マンは、住まいの立地や広さ、建物の作りについては熱心に解説してくれるかもしれませんが、入居後に「はじめから知っていれば」と思う様なことまでは、教えてくれないものです。

今回は、こうした業者は教えてくれない、一軒家を建てる前、買う前に知るべき一軒家の話をご紹介します。

1:一軒家の価格の決まり方

一軒家の価格は、大きく分けて

    • 土地
    • 建物
  • 諸経費

から構成されます。

土地には、地域毎に周辺相場から坪いくら程度といった目安の価格があります。

建物にも、構造や施工業者のタイプによって坪いくら程度といった大まかな相場があります。

建物の価格は、材料費と職人の手間代が主になります。

そこに施工会社の利益が付加されますが、会社の規模や経営スタイルによって差が出ます。

建売住宅の場合は、業者が土地を相場より安く入手し、建物は数件の建物をまとめて発注することにより、コスト削減をします。

自ら更地を購入し注文住宅を建てる場合との違いはここにあります。

不動産の販売図面に「新築建売住宅3000万円」などと記載があるので、建売住宅の価格はとても分かりやすいものです。

しかし、内訳について注意してチェックしてみる必要があります。

周辺相場から、この中の土地部分は概ねいくらなのか、そして建物は概ねいくらなのか、坪単価から計算してみましょう。

仮に「新築建売住宅3000万円」の場合、土地代が相場で考えて2500万円、安く仕入れられたとしても、2000万円とすると、建物の価格は1000万円以下となっている可能性があります。

大量発注といえども、材料費や職人の手間は一定量はかかりますから、極端にコストを下げられる訳ではありません。

性能や構造、見えない部分は価格相応のつくりとなっていることを理解しておきましょう。

既に建築されている建売住宅を購入する場合には、その仕様や施工状態について、しっかりとチェックすることが大切です。

注文住宅の場合は、予算オーバーに注意が必要です。

坪単価から計算した当初の概算予算計算書と、実際に仕様を決めた後の工事請負契約時の価格には、大なり小なりの差が出ることが一般的です。

概算の根拠となる初期段階の仕様は一般に標準的なもの、場合によっては一番安価な商品が設定されていることがあります。

一つ一つの仕様を選定していく段階では少なからずに拘りたい部分がでてきて、建築がはじまるころには予算をオーバーとなってしまうです。

はじめから、概算予算額で全て納まるとは考えず、総予算の3~5%程度の予備費を見込んでおきましょう。

2:一軒家の寿命は、家主次第

木造でつくられた一軒家は、マンションと比べて「寿命が短いのではないか」と思っていませんか。

確かに、税法上の建物の耐用年数は、

  • 木造:22年
  • マンションなどの鉄筋コンクリート造:47年

となります。

しかし、これらは税金の計算する上で定められた数字に過ぎず、実際の建物の耐用年数はこの限りではありません。

鉄筋コンクリートは木造よりも強度があるのは確かですが、建物の寿命は、様々な要素で決まります。

どこかに不具合が生じたとき、すぐに修繕を行えば問題はありませんが、気が付かずにしばらく放置されてしまえば、建物を傷めてしまいます。

同じ築年数の建物であっても、適切に手入れされている建物と、全く手入れのされていない建物では、寿命に大きな差が生まれます。

また、建物に大きなダメージを与える要素として、地震をはじめとした自然災害があります。

地盤や立地を含めて、災害に強いつくりの家であるかも建物の寿命を左右します。

現在は木造住宅の性能も高くなり、長期優良住宅では、企画当初200年持つ住宅をつくろうというコンセプトから「200年住宅」と呼ばれていました。

関連記事:長期優良住宅とはどんな制度?メリット・デメリットと認定基準

一軒家は、災害に強い性能の住宅を選び、住み始めてからも、ていねいに手入れして住むことで、寿命を延ばすことができます。

3:一軒家を寿命を長く!定期点検と維持費の準備を

一軒家では、住民で費用を出し合って修繕するマンションとは異なり、修繕は各自で行う必要があります。

そのため、修繕工事などの一度に負担する維持費の金額は大きくなりがちです。

また、マンションでは管理組合などが手配をしてくれますが、各自で手配をする手間が負担となる人もあるかもしれません。

一軒家の場合は、修繕費用は修繕の時期や箇所は、自由に調整できます。

そのため、やらなければならない箇所が気付かれないままに放置されてしまう場合も少なくありません。

直ぐに発見し対処を行えば、少額で済んだ補修も、数年間放置されてしまえば、傷が広がり、多額の修繕費用が掛かる場合もとても多いのです。

必要な修繕を行われずに放置されてしまうことが、建物の寿命を縮めることに繋がります。

一軒家をもったら、年に一回の建物点検を行い、あらかじめ必要な修繕を想定し維持費を計画的に準備しておきましょう。

4:一軒家のセキュリティ対策

一軒家に比べて窓が少なく、オートロック設備や管理人があったりすることの多いマンションには、防犯面ではかないません。

しかし、対策方法がない訳ではありません。

どこまで取り入れるかを個々に選択できることで、結果的に防犯に強い家も多いのが現状なのです。

一軒家では、建物の周りに死角がないか、足場になって侵入されやすい箇所はないかなど意識をして対策を行っている家と、何も意識していない家に差がでます。

セキュリティは、一軒家のデメリットの様に言われることが多いものですが、

  • ホームセキュリティシステム
  • 2重ロック
  • 防犯ガラス
  • センサーライト

など対策方法はいろいろとあります。

関連記事:【泥棒に狙われない】家の防犯の7つの工夫

多くは住み始めてからでも取り入れることも可能です。

予算との兼ね合いはありますが、自由に選択できるということを覚えておきましょう。

5:一軒家の光熱費を抑えるには

家庭で使用されるエネルギーの

  • およそ25%が冷暖房設備
  • およそ28%が給湯設備

によるものです。※1)

そのため、建物の断熱性の差が、光熱費に大きな影響を与えます。

一般には、一各室が並び外気に接する面が少なく断熱性能が高いマンションに比べ、一軒家は光熱費がかかると言われています。

建物の省エネルギー性をあげる取組が進んでいますが、新築であっても気密性・断熱性の性能レベルは、物件ごとに差があります。
光熱費を抑えようと考えるなら、あらかじめ省エネルギー性の高い住宅を選ぶ必要があります。

 

中古住宅であっても、断熱性能を高める省エネリフォームに対して、補助金や優遇制度がいろいろとありますので、調べてみるといいでしょう。

また給湯設備の省エネ性も大切です。

初期費用とランニングコストのバランスを考え選択しましょう。

6:一軒家は施工業者によって、差が大きい

一般にマンションの建築は、中堅から大手の建設会社が手掛けることが多いものです。

ただ、一軒家の建築は地元の工務店やハウスメーカー、建売専門業者などさまざまな建築会社が手掛けています。

よって、会社の規模から施工技術まで実にまちまちなのが特徴です。

建築会社によっては、残念ながら施工不良があったり、建物の標準としている仕様にも大きな差があります。

新築の一軒家であれば、

  • どんな建築業者が建てるのか
  • 仕様はどうなっているのか
  • チェック体制は整っているか

などによって変わります。中古の一軒家であれば、

  • どんな建築業者が建てたのか
  • 図面通りに建てられているのか
  • 現状劣化している部分はないか

などの確認が必要になります。

一軒家は、特に一戸一戸の状態、建てた建築業者によって差があることを念頭において、購入前にしっかり確認をするようにしましょう。

こうした引渡し前の建物に、施工会社とは別の第三者としてプロが立ち会ってチェックするサービスがあります。

建築士や施工管理技士などの資格を持つ、現場経験の豊富な専門家が、一緒に立ち会ってチェックする「ホームインスペクション」です。※2)

新築の一軒家では、引渡し前の確認時に施工不良や改善点はないかチェックしてもらうことで、直してもらうことができます。

同様に中古の一軒家でも同様に、引渡しの前に物件の瑕疵や老朽化した箇所はないかチェックしてもらうことができます。

購入前の段階で、しっかりとチェックすることで、リスクを最小限に抑えることができることを覚えておきましょう。

※2)日本ホームインスペクターズ協会 住宅診断(ホームインスペクション)とは

7:住み替えの可能性や相続税対策も視野に

「一軒家を持ったから、生涯住み続けられるか」といえばそうでない場合も少なくありません。

人生100年時代などと呼ばれていますので、仮に30歳で一軒家をもったとしたら、70年住み続けられるか、想像してみましょう。

その間、子供が巣立つなど家族構成や仕事、ライフスタイルが変わることが、誰しもあるかもしれません。

一軒家を持っても、住み替えがあるかもしれないと考え、売却するときに売れる物件なのか、賃貸ニーズはあるかなども想定しておくことも重要です。

相続税では、自宅の相続に大きな優遇があります。

住んでいる家を相続人に引き継ぐ場合、評価額が減額される小規模宅地の特例という制度があり、相続税評価額の最大8割迄減額されます。※3)

しかし、特例を受けるにあたっては、

  • 相続人と同居していたのか
  • 生計を共にしていたか
  • 別居の場合は自己や家族の所有する自宅に住んでいるかどうか

などといった細かな要件が定められています。

また建物が取り壊されてしまえば、特例が使えません。

こうしたことをあらかじめ知っているか否かで差が出ます。

※3)国税庁 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価格の特例(小規模宅地の特例)

まとめ

一軒家は、

  • 土地も建物も自由度が高く、資産になる
  • 管理費や修繕積立金がかからない
  • 静かで落ち着いた環境である

など、さまざまなメリットがあります。

人はメリットにばかり目がいきがちなものですが「建てて後悔、買って後悔」とならないためには、あらかじめ一軒家のデメリットや注意点について、正しく理解しておくことが大切です。