家の建替えは、新築工事費用だけでなく税金や登記・住宅ローンなどの経費もかかり、まとまった資金が必要になりますよね。
その際、手続きすることで減税や補助金などの優遇制度が受けられることはご存知ですか?
家を建替える時は、優遇制度を利用してお得に家を建替えましょう。
ここでは、減税や補助金などの優遇制度をご紹介いたします。
この記事の目次
家の建替えと優遇制度
家を建替えする時の優遇制度には、減税と補助金(又は助成金)があります。
それぞれ、どんな種類があるのかみてみましょう。
家の建替えと減税
家を建替える時に受けられる減税は、5種類です。
- 印紙税
- 登録免許税
- 不動産取得税
- 固定資産税
- 住宅ローン減税
1.家の建替えと印紙税
印紙税は、家を建てる住宅会社と「工事請負契約書」を交わす時に契約書に貼る印紙で納税します。
工事請負契約書の契約金額により印紙税の金額が変わります。
印紙税は、令和2年3月31日まで軽減税率があります。
・印紙税一覧(抜粋)
工事請負契約金額 | 印紙税額:軽減措置なし | 印紙税額:軽減措置適用 |
500万円以下省略 |
|
|
500万円超え1,000万円以下 | 10,000円 | 5,000円 |
1,000万円超え5,000万円以下 | 20,000円 | 10,000円 |
5,000万円超え1億円以下 | 60,000円 | 30,000円 |
2.家の建替えと登録免許税
家を建替える場合
- 建物滅失登記
- 建物表題登記
- 所有権保存登記
- 抵当権設定登記
が必要です。
このうち登録免許税がかかる登記は「所有権保存登記」と「抵当権設定登記」で、軽減税があります。
所有権保存登記は、家の所有権を他人に主張するために行う登記です。
・所有権保存登記:登録免許税の税率
抵当権設定登記は、家を建替える時に住宅ローンを借りた場合に必要な登記です。
・抵当権設定登記:登録免許税の税率及び税額
登記の軽減税を受けるには、家を建替えてから1年後以内に登記することや床面積50㎡以上などの条件があります。
3.家の建替えと不動産取得税
不動産取得税は家を建替えた時に一度だけ支払う税金です
・不動産取得税の税率及び税額
不動産取得税の軽減税を受けるには、課税床面積が50㎡以上240㎡以下などの要件があります。
4.家の建替えと固定資産税
固定資産税は土地や家にかかる税金で、固定資産税と都市計画税がいっしょに課税されています。
市町村により課税方法、税率が少し違います。
・固定資産税と都市計画税の税額
都市計画税:土地や家の課税標準額×制限税率(最高0.3%)
令和2年3月31日までに新築された家に対して適用される軽減税あります。
固定資産税は税額の1/2を3年間減額されます。(1戸あたり床面積120㎡相当分まで)
都市計画税には、軽減税はありません。
5.家の建替えと住宅ローン減税
住宅ローン減税は、家を建替えた時に住宅ローンを10年以上借りた場合に受けられる「所得税減税」(住宅借入金特別控除)です。
住宅ローン減税は、工事請負金額の消費税率により減税制度が違います。
・住宅ローン減税の概要
| 消費税8% | 消費税10%(※) |
控除期間 | 10年 | 13年 |
控除金額 | 借入金年末残高(上限4,000万円)×1% (最大控除金額40万円/年) |
・10年まで
借入金年末残高(上限4,000万円)×1%
(最大控除金額40万円/年)
・11~13年
借入金年末残高(上限4,000万円)×1%又は
建物購入価格(上限4,000万円)×2%÷3
のいずれか小さい金額
|
※消費税率10%、かつ令和1年10月1日~令和2年12月31日までに居住した場合に適用
家の建替えと補助金
家を建替える時に利用できる補助金の主なものは、4種類です。
- 住まい給付金
- 長期優良住宅
- 低炭素住宅
- ZEH支援事業
住まい給付金とは。目安は?
住まい給付金は、消費税の増税対策として作られた優遇制度です。
給付される金額は、都道府県民税の所得割の金額により算定され、建替えた家の工事請負金額の消費税率が8%と10%で給付金額が変わります。(令和3年12月末まで実施)
住まい給付金を受けるには年齢や収入、床面積に要件があるので、事前に確かめておきましょう。
住まい給付金の目安
家の消費税額 | 収入額 | 住まい給付金の支給額 |
消費税額8%場合 | 425万円以下 | 30万円 |
| 425万円超え475万円以下 | 20万円 |
| 475万円超え510万円以下 | 10万円 |
消費税額10%場合 | 450万円以下 | 50万円 |
| 450万円超え525万円以下 | 40万円 |
| 525万円超え600万円以下 | 30万円 |
| 600万円超え675万円以下 | 20万円 |
| 675万円超え775万円以下 | 10万円 |
長期優良住宅
建替えた家が「長期優良住宅」の認定を受けている場合、所有権保存登記の登録免許税と不動産取得税、固定資産税の減税を受けられます。
また、住宅ローン減税額の控除額が増額されます。
・所有権保存登記の登録免許税の減税(令和2年3月31日までに家を取得した場合)
・不動産所得税の軽減税額(令和2年3月31日までに家を取得した場合)
不動産取得税は、軽減額が増え30,000円減税となります。
・固定資産税の減税(令和2年3月31日までに家を取得した場合)
・住宅ローン減税と投資型減税の控除額
住宅ローン減税は、控除上限額が40万円から50万円となります。
所得税と市県民税の1年の納付額の合計が40万円を超えている場合、所得税がより減税されます。(適用期間:令和3年12月31日まで)
通常の控除額 | 認定長期優良住宅 |
借入金年末残高(上限4,000万円)×1%(最大控除金額40万円/年) | 借入金年末残高(上限5,000万円)×1%(最大控除金額50万円/年) |
住宅ローンを借りずに自己資金で家を建替えた場合は、所得税控除の投資型減税が利用できます。
建替える家が「低炭素住宅」の場合
建替えた家が「低炭素住宅」の認定を受けている場合、所有権保存登記の登録免許税の減税を受けることができます。
また、住宅ローン減税額の控除額が増額されます。
・所有権保存登記の登録免許税の減税(令和2年3月31日までに家を取得した場合)
・住宅ローン減税と投資型減税の控除額
住宅ローン減税は、控除上限額が40万円から50万円となります。
所得税と市県民税の1年の納付額の合計が40万円を超えている場合、所得税がより多く減税されます。(令和3年12月末まで)
通常の控除額 | 低炭素住宅 |
借入金年末残高(上限4,000万円)×1%(最大控除金額40万円/年) | 借入金年末残高(上限5,000万円)×1%(最大控除金額50万円/年) |
住宅ローンを借りずに自己資金で家を建替えた場合は、所得税控除の投資型減税が利用できます。
ZEH支援事業。補助金は一戸70万円
建替えた家がZEH支援事業(ネット・ゼロ・エネルギー支援事業)の認定を取得すると、国の補助金が受けられます。
補助金が受けられる家はエネルギー収支が0になる家で、主なタイプは太陽光発電で得たエネルギーで、家で消費するエネルギーをまかなう家です。
補助金額は、一戸70万円です。
蓄電システムを導入している家では最大30万円をプラスして補助金を受けられます。
その他の補助金
家を建替えた場合
- 2019年地域型住宅グリーン化事業
- 次世代住宅ポイント制度
- 家庭用燃料電池システム導入支援事業補助金
などの優遇制度があります。
・2019年地域型住宅グリーン化事業。最大140万円
省エネルギー性能や耐久性能等が高い木造住宅を新築した場合に補助金が交付されます。
補助金額は家の性能や設備の種類に変わり、最大140万円となっています。
この補助金制度は、一定の性能を有する家で地域木材を利用し、住宅建築会社は国の採択を受けたメンバーでなくてはなりません。この補助金制度を利用する場合は、事前に住宅建築会社に相談が必要です。
・次世代住宅ポイント制度。最大35万円相当
消費税率10%で家を建替える場合、最大35万ポイント(=35万円相当)のポイントがもらえる制度です。建替える家は一定の性能が必要で、ポイントは、指定商品との交換に利用できます。
・2019年家庭用燃料電池システム導入支援事業補助金。最大8万円(追加あり)
家庭用年長電池「エネファーム」を購入した費用の一部に国が補助金を交付する制度です。
補助金額は最大8万円で、ケースにより追加補助額を最大3万円受けられます。
・各市町村の補助金制度
各市町村によって、独自の補助金制度があります。
- 子育て世帯への補助金
- 二世帯住宅の補助金
- ブロック塀解体の補助金
- LED照明設置の補助金
- 浄化槽設置補助金」
など様々です。
各年度によって補助金制度が変わります。各市町村のホームページや直接問合せをして確認しましょう。
減税と補助金・助成金などの優遇制度を受けるための注意点
優遇制度を受けるためには、制度ごとの条件を守って家を建替えなければなりません。
まず、制度を利用したいことを住宅建築会社に相談し、建替える家の面積や省エネや耐震などの性能、いつまでに着工、完成するか、申請書類の提出時期など着工前に確認しておきましょう。