普段の生活では、聞きなれない「玉串料」。実は、色んなイベントの局面で触れる言葉なのです。
いざ、玉串料が必要になった時、のし袋は?書き方は?水引ってこれでいいの?渡す時のマナーってあるの?等、分からないことだらけ。
今回は、このような疑問を一つ一つ解決していきます。
この記事の目次
①玉串料とは
玉串料は、お金というイメージがありますが、本来はお金の事ではなかったのです。どういうことなのでしょうか??
玉串の意味
神社で行う神事の際、神職や参列者が祭壇にお供えする供物の一種で、神様が宿るとされている榊(さかき)の枝に紙垂(しで)や麻を結び付けたものです。
神道では、この玉串を神様に奉納した後に礼拝を行います。この事を、玉串奉奠(たまぐしほうてん)と言います。
どういう時に使うの?
神社で行う神事で使うことができるので、神前結婚式、安産祈願、お宮参り、七五三、交通安全祈願、お見舞金、厄払い、通夜、葬儀、法事(50日祭、100日祭、1年祭、3年祭、5年祭、10年祭、20年祭、30年祭)など様々な場面で利用できます。
その中でも、最も代表的なものが地鎮祭ですね。
玉串料の「料」って?
本来、玉串は祈祷を依頼した者が用意するのですが、近年それが困難になってきて、神社が玉串を用意するようになってきました。
この用意にかかった費用と御礼を合せた金額を、玉串料という形で神社に渡した事が由来で、玉串料という言葉ができました。
玉串料と初穂料の違い
玉串料という言葉と同じくらい、初穂料という言葉も耳にすることがあると思います。どちらも、神様にお供えするものという意味では同じですが、使う場面が多少違うのです。
玉串料は前述した通り、様々な式典でご祝儀としても不祝儀としても使うことができます。
初穂料も、神前結婚式、安産祈願、お宮参り、七五三、交通安全祈願、お見舞金、厄払い、地鎮祭、竣工式、お守り、お札など、様々利用できますが、神式の葬儀の場合はNGなので注意が必要です。
お守りやお札を受ける際には、玉串料は使えませんので、初穂料を用いてください。
香典とは違うの?
宗教の観点から、神式の場合「玉串料」「初穂料」という言葉を使います。
仏式の場合、「香典」という言葉を使います。香は、お線香のことを意味し、典はお供えということを意味するのです。
日本の葬儀のほとんどは仏式なので、日本では香典という言葉が一般的に広まったと考えられます。
②玉串料ののし袋と水引の種類
玉串料を包むのし袋には、紅白と白黒の2つの種類がありますが、そこにのしと水引をつけますので、用途によって使い分けましょう。
色んな種類ののし袋がありますが、今は100円ショップやコンビニでも買うことができますので、とても便利です。
紅白ののし袋
慶事の場合は、紅白ののし袋を使います。
地鎮祭の場合
のしを付けて、水引は蝶結びにします。
お見舞金・お祓いの場合
のしを付けて、水引は結び切りにします。
お宮参り・七五三の場合
のしを付けて、水引は蝶結びにします。
神前結婚式の場合
のしを付けて、水引は結び切にします。
安全祈願の場合
のしを付けて、水引は蝶結びにします。
白黒ののし袋
弔事の場合は、白黒ののし袋を使います。水引の色には、白黒、青白、銀、黒などがあります。
通夜・葬儀の場合
のしを付けずに、水引は結び切りにします。
③封筒の書き方と包み方
正式には、のし袋に毛筆で名前や金額を書くのが理想です。書きにくい場合は、筆ペンや太めのフェルトペンなどでも問題ありません。
ボールペンや万年筆は避けましょう。
外包み
水引が結ばれている袋を表書きと言います。水引上部に「玉串料」「御玉串料」と書き、水引下部に「名前」を書きます。
内袋(中袋)
外包みの中に無地の白い封筒が入っています。その中袋の表に金額を「金○○円」と旧字で記入します。中袋の裏面左下には自分の住所・氏名を記入します。
お金の入れ方
全国的に、お宮参りや結婚式などのお祝いの席で、玉串料としてお納めするお金は新札が良いと言われています。
中袋の表から見て、お札の肖像が見える向きでお札を入れてください。
逆に、通夜や葬儀の弔事の席では、使われた古いお札を入れるのが一般的です。中袋の表から見て、お札の肖像が見えないようお札を入れてください。
連名で出す場合
夫婦の場合
夫の名前を中央に書き、その左側に妻の名前を記入します。
2~3名の連名の場合
序列がある場合は、一番目上の人がまず中央に書き、その左に序列順に名前を記入します。
近年は、バランスよく見えるように、連名全体を中央に配置する形も一般化してきています。
4人以上
封筒に全員の名前が書けない場合は、代表者の名前を中央に書き、左側に「外一同」と書き添えてください。別紙に全員の名前を書いて中包みに同封します。
④金額について
玉串料の相場
神社によって、料金を決めているところもありますが、式典内容によって異なります。
神社に依頼をした際には、一度お納めする金額を聞いてみてください。相場はあくまで一般的な目安ですので、参考にしてください。
地鎮祭の場合
- 20,000~30,000円
お見舞金・お祓いの場合
- 5,000~10,000円
お宮参り・七五三の場合
- 5,000~10,000円
神前結婚式の場合
- 50,000~100,000円
車の安全祈願の場合
- 20,000~30,000円
通夜・葬儀の場合
- 故人が親の時:30,000~100,000円
- 故人が兄弟の時:30,000~100,000円
- 故人が伴侶の家族の時:30,000~100,000円
- 故人が親戚の時:10,000~30,000円
- 故人が会社関係者の時:3,000~5,000円
- 故人が知人友人の時:5,000~10,000円
- 故人が御近隣の時:3,000~5,000円
⑤神事によって使い分けるマナーや渡すタイミング
地鎮祭の場合
紅白ののし袋を用意しましょう。
宮司さんが到着されたら、式典が始まる前に「本日はどうぞ宜しくお願いいたします。どうぞお納めください」と述べ、玉串料を手渡してください。
玉串料は、祭壇に供物と一緒に奉納してもらいます。
神社での正式参拝の場合
祝詞をあげてもらったり、祈祷や厄払いを受ける際、白赤の蝶結びののし袋に入れて用意をしてください。白封筒でもokです。
名前を書く、水引の下部には祈祷を受ける人のフルネームを書きます。
七五三の場合
水引の下段にはお子様の名前を書きます。地方によっては年齢を書き添える地域もあります。お宮参りの場合は、水引の下段を赤ちゃんの名前になります。
神社に着くと、まずは受付に向かいます。複写式の祈祷申し込み用紙があるので、そこに子供の名前や必要事項を書きこみます。
その申し込み用紙を神主さんに渡す際に、玉串料も一緒に渡してください。
神前結婚式の場合
結婚式は祝福の場面なので、封筒は赤白の結びきりの水引を用います。
又は、白い封筒でも構いません。水引の下部の氏名の欄には、新郎新婦両家の姓を並べて書きます。
日本では、金品の入ったのし袋を裸のまま持ち歩く事は非礼とされています。受付で渡す際に、袱紗(ふくさ)から取り出しましょう。
通夜・葬儀の場合
「参列者から喪家へ」玉串料を渡す場合、黒白の結びきりの水引を用います。水引下部の氏名の欄には、フルネームを書き込んでください。
表書には薄墨を使用するのが理想とされており、葬儀後に行われる四十九日や初盆などの霊祭では濃墨を使用します。
この薄墨を使う理由は、「故人を想い、悲しみの涙でにじんでしまった」「急いで駆けつけるため墨を十分濃くする時間がなかった」と言われています。
不祝儀袋は袱紗に入れて持参しましょう。袱紗にも、慶事用と弔事用がありますので、あまり派手ではない、灰色、緑色、紫色など地味な色を選んでください。
受付では、お悔やみの言葉を一言述べてから、記帳、最後に不祝儀袋を差し出します。のし袋はお盆や袱紗の上に載せて渡しましょう。
「喪主から神職へ」玉串料を渡す場合は、黒白の結びきりの水引を用います。
不祝儀袋には蓮の絵がプリントされたものがありますが、神式では使わないので注意してください。
表書には、濃墨を使用して、水引下部の氏名欄には名前をフルネームで書いてください。
まとめ
いかがでしたか?いざ玉串料を手渡す時も、マナーは大丈夫かな?金額は間違ってないかな?と緊張や不安な気持ちになることもあると思います。
しかし玉串料は、神様にお供えする供養の一つです。神様に、日頃の感謝の気持ちを一番に頭にいれておけば問題ありません。
是非、その気持ちを忘れずに祈りを捧げてくださいね。