在来工法とツーバーフォーを徹底比較!強度、耐震性の高い家をつくるポイント

在来工法とツーバーフォーを徹底比較!強度、耐震性の強い構造をつくるポイント

せっかく新築を建てるなら、長く住み続けられる耐久性の高い家にしたいですよね。

間取り、キッチン、断熱性能・・・とこだわりを詰めこんでも、骨組みとなる構造躯体がしっかりとしていなければ、安心して暮らすことができません。

ここでは、木造住宅の工法としてもっとも一般的な在来工法について、ツーバイフォー工法と対比しながらお伝えしていきます。

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1.在来工法にはどんなものがある?

日本に古くからある伝統的な工法で、柱・梁などの骨組み(これを軸組と呼びます)を組み立てる工法です。

  • 「木造軸組(もくぞうじくぐみ)工法」
  • 「在来軸組(ざいらいじくぐみ)工法」

とも呼ばれ、

  • 「木軸(もくじく)」
  • 「在来(ざいらい)」

などと省略して呼ぶ設計士も多いです。現在日本に建っている住宅のおよそ7割がこの在来工法で建てられており、もっとも一般的な工法であるといえます。

木造住宅の工法はさまざま

木造住宅の工法として広く普及しているのは在来工法ですが、そのほかにも、

  • 「ツーバイフォー工法」
  • 「プレハブ工法」

などがあります。さらに、ハウスメーカーや工務店の中には「〇〇工法を採用!」などと独自の工法名をうたっている場合もあります。

じつはこれは、「在来工法」と「ツーバイフォー工法」を組み合わせた工法であったり、在来工法に合板・金物・装置などを付け加えたものであったり、結局は「在来工法」をベースとしているものも多く含まれているのです。

2.在来工法はツーバイフォー工法に比べて強度が低い?

木造住宅では在来工法が広く普及していますが、家づくりを検討しているとツーバイフォー工法を耳にすることも多いのではないのでしょうか。

ハウスメーカーや工務店が「地震に強いツーバイフォー工法」という謳い文句で宣伝していることも多く、「在来工法はツーバイフォー工法に比べて弱い構造なの?」と不安に思う人もいるかもしれません。

そもそも「強い家」とするうえでのポイントはなにか、在来工法・ツーバイフォー工法それぞれの構造的な違いを理解することが大切です。

家の強度を出すには?

地震や台風などに耐えられる、構造的に強い家を考えるために、段ボール箱をイメージしてみてください。

段ボール箱をつぶそうとするとき、側面に大きな穴があいていたら、簡単につぶれますね。つまり、大きな窓は少ないほうが強い家になります。

反対に、段ボール箱のなかに仕切り板がある場合は、なかなかつぶせませんね。実は、家の強度を考えるうえでも、「壁」が大きく関係しています。

建築基準法においても、設計者は地震力や風圧力に抵抗するために必要な壁量を算出し、壁をバランスよく配置するよう定められているのです。

在来工法とツーバイフォー工法の構造的な違い

在来工法は、冒頭にお伝えしたとおり柱・梁などの軸組を組み立てる、「棒」を組み立てていく工法と言えます。

一方、ツーバイフォー工法は、2インチ×4インチ(=ツーバイフォー)寸法の木材に合板を打ち付けたものをパネル化し、「面」を組み立てていく工法と言えます。

地震や風圧に立ち向かうには、「棒」よりも「面」のほうが強く抵抗出来るという理屈から、ツーバイフォー工法の家は強いと言われています。

ですが、そうとは言い切れない理由が2つあります。

① 在来工法でも、ツーバイフォー工法の要素を取り入れられる

まず、最近の在来工法の家は、昔のように「棒」のみで建てられているわけではありません。

筋交い(すじかい)と呼ばれる斜めの木材だけなく、構造用合板と呼ばれる面材を使用する家が増えています。

関連記事:【もう迷わない】強度を決める構造用合板の種類や価格、使い方を徹底解説

②新耐震基準に基づく在来工法の強度は高い

次に、在来工法の耐震性は2000年の建築基準法改正以降、大幅に上がっていることです。

それまで現場大工によってまちまちであった壁の配置や接合金物の強度が、所定の計算方法で設計士が設計するよう、法律が厳格化したのです。

かつてのような在来工法とツーバイフォー工法の強度の差は、なくなってきているのです。

在来工法で耐震等級3は取れる?

耐震等級とは、品確法によって定められている住宅性能表示の一つで、耐震性能を1~3の等級で示すものです。

  • 耐震等級1:建築基準法を満たすレベル
  • 耐震等級2:耐震等級1の1.25倍の耐震性
  • 耐震等級3:耐震等級1の1.5倍の耐震性

があることを示す、客観的な指標です。最高等級である耐震等級3は、在来工法でも、ツーバイフォー工法でも実現が可能です。

このことからも、在来工法がけっして強度が低い工法ではないことがわかります。

3.補足:地震に強い家は、建物の強度だけを考えれば良い?

地震対策に必要な3要素(地盤、基礎、建物)

ここまで、在来工法とツーバイフォー工法の構造的な違いをお伝えしてきました。

しかし、外力、特に地震力に抵抗するためには、建物以外の要素も考える必要があります。

建物の下にある基礎コンクリート、基礎コンクリートの下にある地盤についても、しっかりと施工されていることが重要です。

耐震と制震の違いは?

さらに補足すると、さきほどお伝えした耐震等級に示される「耐震」の考え方とは別に、「制震」という比較的新しい技術があります。

構造躯体の強度を上げ、揺れに耐える「耐震」に対して、「制震」は壁の中に装置を入れ、揺れを吸収させます。

筋交いや構造用合板といった強度の高い壁(耐力壁と呼ばれます)は、損傷することで地震力に耐えるのに対し、制震装置は地震力を吸収・発散することができるので、繰り返す余震にも強い家となります。

震度7を二回観測した熊本地震以降、この制震装置を導入する工務店が増えていますね。

4.在来工法の家を建てるメリット

それでは、ここでは構造的な強度以外での在来工法のメリットをみていきましょう。

施工可能なハウスメーカー、工務店が圧倒的に多い

在来工法はもっとも一般的な工法のため、施工可能なハウスメーカー、工務店が圧倒的に多いです。

ツーバイフォー工法の場合は、ハウスメーカーや一部の工務店のみの取り扱いになります。

家は大きな買い物です。多くのデザイン、多くの価格帯から選べることは、大きなメリットといえます。

間取りの制限が少なく、リフォームがしやすい

ツーバイフォー工法では、在来工法より壁や窓に関する制約が多く、間取りの自由度が低い傾向にあります(このことが一定の強度を担保しているともいえます)。

その点、在来工法では大空間などが作りやすく、柔軟に間取りを決めることが可能です。

さらにリフォームにおいても、腐った土台のみ取り替えたり、柱一本・壁の一部だけ取り替えたりといったことがかなり自由にできます。

5.在来工法の家を建てるデメリット

それでは反対に、在来工法のデメリットについてみていきましょう。

施工精度は大工・職人の技量に左右される

在来工法とツーバイフォー工法の構造的な違いにおいて、在来工法の施工精度は法改正によって均一化・厳格化されたことを説明しました。

しかしながら、規格材や工場で組み立てられた壁パネルを使用したツーバイフォー工法と比べると、在来工法は大工の技量差が反映されやすいことは事実です。

工期が長い

在来工法の場合、柱や梁などの軸組を組み立てたあとに、屋根材や板材を取り付けていきます。

ある程度工場で組み立てられたパネルをクレーンで次々と積み重ねていくツーバイフォー工法と比べてしまうと、在来工法は工期が短縮しにくいといえます。

6.在来工法の坪単価は?

在来工法の坪単価はどれくらいでしょうか。建築会社や使用する構造材によって坪単価は大きく異なるため、〇〇工法の坪単価は××万円、と一概に言うことはできません。

在来工法とツーバイフォー工法の坪単価はどちらが高いか?ということも同様に、平均値を比べることにあまり意味はないのです。

まとめ

木の家に住みたい、間取りには妥協したくない、それでも構造はしっかりとした耐久性の高い家が良い・・・。

日本に古くから伝わる在来工法で、すべて叶えることが可能なのです。

構造躯体は建築後には見えなくなってしまう部分ですので、ぜひ工事現場を見学してみてくださいね。

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