これから二世帯同居の家を建てようとしている人は、完全分離にした方が良いのか、また完全分離にした場合の費用等はどうなるのか、不安を抱えてはいませんか?
ここでは、実際に二世帯を完全分離した経験を持つ方から直接、ストーリーを紹介しながら、そのメリットや費用等をお伝えします。
まず何より気になる費用の話を先にしておくと、二世帯完全分離となると、二軒分の家を想定し大きさにもよりますが5000万円は見積もっておくべきでしょう。
それを踏まえ、これからその内訳や二世帯完全分離のメリットを、実体験から詳しく解説してまいります。
その詳細が分かれば不安も解消し、楽しく進めることができるでしょう。
ここでは、ご主人さんが建設会社に棟梁として30年勤務し、3年前に息子家族との二世帯完全分離の家を建てた経験談を交えてお伝えいたします。
この記事の目次
二世帯住宅のデメリットとなる問題点は?
まず、私が感じた普通の二世帯住宅の問題点から見ていきたいと思います。
単に息子夫婦や娘夫婦との同居で、一軒に二世帯で住むのはよくある話なのです。ところが様々な問題点があるのも事実でした。
実際、私自身も夫の両親と同居の二世帯住宅だったので、大変な苦労を強いられた経験があります。ですので今度家を建てる時には、二世帯完全分離は絶対に譲れなかったのです。
そこでまずはその問題点を、実体験から詳しく解説していきたいと思います。
食費や光熱費等の費用の問題
二世帯住宅の問題点として揉める大きな原因は、やはり費用の問題があります。食費や水道光熱費の使用の割合が分からず、どちらが多く使ったか等の問題が常につきまとうことになるのです。
どちらも若ければまだ良いですが、親が歳を取り収入が無くなった時はさらに問題になるでしょう。
キッチンが一緒で好みや価値観の相違
娘夫婦との同居であれば、小さい時から母と娘は好みを知っているから良いです。しかし姑と嫁になると好みから始まり、料理の時間帯等々の問題がリアルに出てきます。今までの育ちや環境が全く違うわけですから、うまくいかなくても不思議ではないのです。
うまくいっているとすれば、どちらかかまたはどちらも、かなり気を遣っていることなのでしょう。
玄関が一緒で帰宅時間や外出の干渉
二世帯住宅で玄関が一つの場合は、仕事に行く場合の他買い物等でも常に出入りが分かり、出先等を言って出なければならない煩わしさがあります。
いちいち「遅い早い」と干渉されることにもなるのです。
これが二世帯完全分離のメリット!完全分離の成功ポイントは?
今まで二世帯住宅の問題点を解説してきました。
そのような問題点を数々経験してきたからこそ、二世帯完全分離を望んだのです。
結果、二世帯完全分離の家にして本当に良かったと思っています。程良い距離感が良く、理想的な家族になれるでしょう。
それではその二世帯完全分離のメリットとして、具体的に完全分離の成功ポイントを解説ししていきたいと思います。
上下にキッチン・バス・トイレ完全分離のメリットとその費用
我が家の場合は、上下で住まいを完全分離しました。
息子夫婦と子供の一家が上で、階段の上り下りがひどくなる私達親夫婦は下にしました。
キッチンとバス・トイレも上下に分けたのです。
二世帯で嫁姑の価値観の相違が一番顕著に現れるのは先にも述べたように、このキッチン事情ではないでしょうか。
いつ食べようが何作ろうが勝手にできます。多めに作った料理はおすそ分けして喜ばれるし、たまに一緒に食べることも楽しみの一つになっています。
良いとこづくめのキッチン完全分離です。
完全分離をしなければ、楽しいはずの食事も憂鬱になっていたことでしょう。
我が家の一階と二階の建築費用はざっと、
- キッチン300万円と250万円
- バス・洗面所200万円と150万円
- トイレ一階男女別で120万円と70万円
でした。
一階が高いのは車椅子になった時にも動き易く広めにスペースを取ったためですが、キッチンはここまで予算を取らなくても良いかとも思います。
玄関完全分離のメリットとその費用
二世帯完全分離を考えた時に、「玄関は一緒でも良いんじゃないか」と言う人がいました。
確かにそこにいる時間は短時間で素通りするだけです。
ですので「別に二つに分ける必要があるのか」とも言われました。
しかしこの場所も侮れないのです。
先にも述べたように、玄関が一緒だと余計な干渉が入るのです。家族以外の人も出入りするので、お互いの友達や関係者が来ても一々挨拶しなければならず、煩わしさを感じますね。
我が家の場合、玄関は右と左に分けました。お互い気にならずとても快適です。
玄関建築費用はだいたい、
- 親用は広めに50万円
- 息子達は30万円
でした。
玄関の好みも様々と思いますが、ここに凝るか最小限にするかは住む人次第と思います。
今まで我が家の最低限必要な個所として、キッチン・バス・トイレ・洗面所・玄関の費用を述べてきました。
その他の費用
あとは一階にリビングダイニング20畳に6畳の小上がり、和室6畳、寝室8畳、洋室7.5畳、クローゼット5畳、ウッドデッキを合わせて1,500万円弱位です。
二階はだいたい、リビングダイニング10畳、寝室10畳、子供部屋6畳2つ、書斎5畳、ベランダで1000万円です。
その他屋根と外壁、 空調設備、電気配線等に1500万円でした。
建設費用に関しては、我が家はバリアフリーも考え大きめのスペースを取り金額が加算だ部分もありました。
ですので、その辺はよく考え予算から最低限必要なものから考えるとか、ここだけにはお金を掛けたい、または掛けたくないとかメリハリをつけて良いと思います。
二世帯時代の費用負担
どこの二世帯でも文句が出るのは、この費用に関しての問題が大きいと思います。
私も実際姑達との二世帯の暮らしは大変でした。
その辺の事情を二世帯完全分離ではなかった嫁時代と、二世帯完全分離にした姑時代に分けて解説していきます。
二世帯完全分離ではなかった嫁時代
私が嫁だった時代は、給料を封を切らずに姑に渡しわずかな小遣いをもらい生活し、必要なものは一々言って出して貰うという形でした。
しかし姑が突然「自分は歳だから一切家計は任せる」と言われ、それから年老いた姑達の介護や面倒をみることになりました。
その費用も全額こちら持ちで、今まで出してた給料の一部も自分達の年金も出してくれなかったのです。
一緒に暮らしているからしょうがないと思いつつも、ずっと納得いかない気持ちで暮らしてきました。
それから我々は仕事でも、日中家にいる姑達の光熱費が凄い金額になっていて、子供を抱え家計のやりくりが大変でした。
このように片方への負担が大きくなることで最悪、家族間の不和が続き別居する家族もあったのです。
完全分離にした姑時代
自分が姑になた時は、嫁の時の苦労があるからこそ二世帯で住む時には、二世帯完全分離にしなければいけないと強く思っていました。
私の味わった苦労を息子の嫁には、絶対に経験させてはいけないと思っていたのです。
そんな経緯で二世帯完全分離にしましたが、水道・光熱費はもちろん食費も完全分離なので、自分達の分は自分達で払えば良いのです。
不平等にならず気持ちがスッキリします。
その方が不平不満が出ず、お互いそれぞれの責任においてやり繰りすれば良いのです。
我が家の場合は、建設費用はこちらが多め出しました。
なぜなら我々が年老いてお金は出しても、施設に入る手続き等の面倒をみてもらうからです。
しかしこの建設費用も完全分離で考えるのも良いことだと思います。
親子でよく話し合いお決め下さい。
まとめ
今まで過去の二世帯住宅だった頃の問題点を始め、二世帯完全分離のメリットを詳しく上下の住まいやキッチン・玄関等さらに費用も分けて解説してきました。
参考になりましたでしょうか?
現代は姑も嫁も50:50であるべきで、お互いを尊重し仲良く暮らすのが理想だと思います。
助け合うことは当然ですが、経済的にも精神的にも程良い距離が安定とゆとりなのです。
また、今時のまさに「スープの冷めない距離」がこの二世帯完全分離だと思います。
最後に一つ付け加えておきますが、二世帯完全分離と言っても、そこは他人ではないので一か所二階と一階を繋げる通路は確保しました。
それで上から下へ孫が遊びに来るのが楽しみになりました。