リビングルームや洋室の部屋の床材として欠かせない、フローリング。
新しいときはピカピカな床も、年数が経過することで、傷やしみなどの汚れ、紫外線等による変色などがどうしても目立つ様になります。
フローリングを保護し、きれいな状態を長期間維持するために有効なフロアコーティングの選び方や種類を解説します。
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この記事の目次
そもそもフロアコーティングとは?
フロアコーティングとは、床材の表面にコーティング剤を塗布し保護すること。
家はどの部位もかならず経年変化しますから、材料の特質に併せた手入が必要になります。
床は傷や汚れが付きやすい部位ですが、表面を保護するフロアコーティングは、床のメンテナンスを容易にし、美しい状態を長期間維持できる方法として定評のある手法です。
フロアコーティングには種類があり、仕上がりや耐久性、施工費用に差があります。
施工に一定の技術が必要なフロアコーティングや、特殊な機械を使用するフロアコーティングもあるため、業者に依頼するのが一般的です。
費用が掛かりますが、床が激しく痛んで貼替を行う場合と比較するとコストが抑えられる場合もあります。
そしてフロアコーティングにより、美しさや光沢感を一定期間保てる点が何よりの魅力です。
フロアコーティングの必要性
では、どのような場合にフロアコーティングを行った方がよいのでしょうか。
- ペットを飼っている
- 小さな子供がいる
という場合、床を汚すことや傷をつけることが想定できますよね。
その上、ワックスや拭き掃除などのこまめな床のメンテナンスを行う自信がない…。
そういう場合は、フロアコーティングを行った方がよいケースといえます。
フローリングは、木材でできているため、傷や凹み、汚れにはどうしても弱いものです。
フロアコーティングを行わない場合には、ワックスを塗り表面を保護するのが一般的です。
ただ、ワックスはフロアコーティングよりも塗膜が弱いため1年程度で塗り替えが必要になります。
家具もある中で、ワックスを塗る作業を面倒に感じる人も少なくありません。
床の手入れを行わないままに時が過ぎ、傷みがひどいことに気が付いてフローリング貼替や、傷のリペア、フロアコーティングを検討するならば、あらかじめフロアコーティングを施工した方がよい場合も多いものです。
- ワックスを塗らずともピカピカな状態を長く維持したい人
- 木の素材感があまり好きでない人
- 家具や荷物がとても多い人
などにも適しているといえます。
一方で、お掃除好きな人や、床のメンテナンスを定期的に行える人には不要といえます。
また、無垢のフローリング材の場合には、フロアコーティングは行わない方がよいでしょう。
無垢の床材にフロアコーティングを行ってしまうと、メリットである自然素材の質感や経年変化を味わうことができなくなります。
そのため、無垢のフローリング材を選ぶ場合には、定期的なメンテナンスを行えることが条件になるともいえるでしょう。
中には、無垢のフローリング材にフロアコーティングを行う施工業者もありますが、無垢材の魅力を活かせないことをあらかじめ覚えておきましょう。
どうしてもフロアコーティングをしたい場合には、床材の選定からよく考えなおすことをおすすめします。
フロアコーティング・5種類と特徴
代表的な5種類のフロアコーティングの特徴をご紹介します。
(1)艶出しやお試しに “アクリルコーティング“
ワックスの延長で、手軽に施工できるのがアクリルコーティングです。
アクリルは水溶性で、はがれやすいため2年程度で塗り直しが必要になります。
フロアコーティングの中では安価で、3万円前後から施工できるため、ワックスの延長の様な感覚でお試し利用する人もあります。
艶出しのために利用する人もいます。
速乾性で施工後1時間程度で乾く一方、水に弱いため、水拭きが出来ない点がデメリットです。
(2)手軽で自然な仕上がりの “ウレタンコーティング“
20年以上前からある最もポピュラーで、ローコストなフロアコーティングです。
以前は、油性と水性がありましたが、現在は環境にも人にもやさしい水性塗料を使用するのが一般的です。
耐久年数は5~10年と短いものの費用を抑えたい人には手軽に施工できる点が魅力。
ツヤの強度などが調整できるため、自然な仕上がりにすることも可能です。その他
- 水拭きで吹き落とせて扱いやすい
- 厚みがあるため摩擦にも強い
というメリットがあり、よく歩く場所などにも適しています。
完全硬化するまでに1か月程掛かります。
(3)ナチュラルな美しい床を維持でき“シリコンコーティング”
耐用年数は10~20年程度と長く、美しい状態を長期間維持できる点が魅力のフロアコーティングです。
熱や寒さに強く、床暖房のある部屋にも施工が可能。
UVコーティングには劣りますが、耐久性が高く、特に耐アンモニア、撥水性に優れており、総合的に高性能な点が魅力です。
ツヤを抑えたナチュラルな美しさが特徴で、完全硬化まで1か月程かかります。
職人の腕によっても仕上がりが変わってくるため、業者選びには注意が必要です。
(4)上品なツヤが特徴 “ガラスコーティング”
耐用年数は20年前後と長く、ツヤの有無や強度を調整できて、マットな光沢感が可能なフロアコーティングです。
特に塗膜の強度が強いため、傷に強いのも魅力です。
価格が高く、完全硬化まで2週間程度と時間が掛かるデメリットがありますが、一度施工すれば、美しい状態を長く維持できます。
熱にはあまり強くないという点にも注意が必要です。
満足度は高いフロアコーティングですが、取り扱っている業者も限られるため、業者探しが難しい場合があります。
(5)最も耐久性があり光沢が長持ちする “UVコーティング“
完全硬化までの時間が非常に短く、美しい光沢感が長く保てるコーティング剤です。
車や高級家具の表面保護にも活用されており、光沢感あふれる仕上がりになります。
耐用年数は20年以上とフロアコーティングの中でも最も長く、耐久性にも優れており、耐摩耗性、耐熱性も高いのも魅力です。
すべり止め機能もあるので、子供や高齢者の安全対策としてもおすすめのフロアコーティングです。
施工には特殊な機械が必要になるため施工が高価な点がデメリットですが、少し前まで主流であったウレタンコーティングをしのぐ勢いで人気が高まっています。
フロアコーティングの費用比較表
主な5種類のフロアコーティングの保証期間と30㎡辺りの施工費用の目安を比較します。
種類 | 保証年数 | 30㎡の施工費用の目安 |
---|---|---|
アクリル | 2年前後 | 3万円程度 |
ウレタン | 5~10年程度 | 7~10万円程度 |
シリコン | 10~20年程度 | 15万円程度 |
ガラス | 20年程度 | 10~20万円程度 |
UV | 20年以上 | 20万円以上 |
後悔しないフロアコーティングの選び方
フロアコーティング選びでは、費用だけでなく、コーティング剤の特徴と耐久性、質感などの違いを理解し、目的に合ったコーティング剤を選ぶことが大事です。
例えば、
- 床暖房を入れている場合⇒耐熱性の高いコーティング剤
- ペットのひっかき傷を防ぎたい場合⇒硬度の高いコーティング剤
といった選び方をするのがポイントになります。
このような決め手となる目的がない場合には、質感の好み、費用と耐久性とのバランスを考慮して決定します。
ですが、施工業者によっては取り扱いのないコーティング剤があったり、施工業者の腕によっても仕上がりが変わる場合もあります。
フロアコーティングの種類を選びながら、施工業者選定を進めることも、後悔しないフロアコーティング選びの秘訣です。