「住んでいた家が古くなったから建て替える」「中古で買った家が手狭になったので建て替える」など、理由はそれぞれですが、家が新しくなる・・・ワクワクしますよね!
住み替えや、新たに住宅を求める場合と違い、『建て替え』で必要なのが、工事期間中に住む『仮住まい』です。
今回は建て替え工事の期間や、建て替え期間中の仮住まいについて考えてみましょう。
この記事の目次
建て替え工事の期間は?仮住まいはどこにする?
建て替え工事に必要な期間
建て替えの計画を始めて工事が終わり引き渡しされるまで、半年から一年間かかると考えられます。
今住んでいる家を解体して建てるので、建て替え工事着工までの流れとしては、一般的に下記のような流れになります。
- 依頼先(請負業者)を決めて、プランを決定し契約
- 住宅ローン等、申込み手続き
- 仮住まいの決定、契約。解体業者の決定
- 古い家の片付け、仮住まいへの引っ越し
- 解体
- 解体後、地盤等の調査
- 建て替え工事 着工
依頼先との打合せの回数や、プランを検討する時間、住宅ローン融資までにかかる時間など個人差はありますが、
- 契約の前後からすぐに仮住まいを探す
- 解体工事が始まる前の1週間前後には引っ越せるようにする
ことをお勧めします。
また、実際の建て替え工事の期間は建物の大きさにもよりますが、早くて3~4か月、天候等により工期が延びることも考慮して、4~6か月と考えておくと良いでしょう。
仮住まいの場所
仮住まいは、建て替え期間中に感じる『不便』や『窮屈』をなるべく最小限に抑えられるように、よく考えて選びましょう。
暮らしの優先順位を決める事や、100%満足は無理なので妥協点を見つける事も必要です。(100%の満足は新しい住宅で!)
また通勤や、子供がいる場合は通学に不便がないか、車がある場合は駐車場についても確認しながら進めましょう。
仮住まいに必要な費用をみてみよう
仮住まいで気になるのは、やはり費用ですよね。
仮住まいをするために必要な3つの費用について見ていきましょう。
①引っ越し費用
建て替えの場合、それまで住んでいた住宅から仮住まいへの引っ越しと、建て替え後の新しい住宅への2回の引っ越しが必要になります。
費用に関しては、家財や家電等荷物の量や引っ越し先までの距離によっても異なりますが、4人家族でどんなに少なくても10万円以上にはなるでしょう。
また、引っ越しの時期によっても掛かる費用が違います。
特に3月は、転勤や進学等で引っ越しをする人が多く、引っ越し業者が最も忙しい時期であるため、相場も高くなるとされています。
②賃料
一般的に、建て替えの仮住まいは賃貸物件を借りることが多く、月々の家賃と、物件によって異なりますが敷金や礼金(家賃の1~2か月分)、保証料などが考えられます。
月々の家賃に関しては、地域や物件の大きさにより金額の差はありますが、工事が長引けばその分、負担は大きくなります。
また、敷金は退去時に戻ってくるお金ではありますが、退去時には殆どの場合、ハウスクリーニングを入れることになるので、その費用の事も考えておかなければなりません。
③トランクルームや貸倉庫
出来るだけ借りずに済ませたいですが、仮住まいに家財等、荷物が入りきらない場合は荷物の保管場所を確保しなくてはなりません。
特にピアノ等の管理が難しいものがある場合は、空調の管理等の関係で、受け入れ先が限定されてしまうので、費用についてもよく確認しておくことが大切です。
引っ越し業者によっては、建て替えのための専用の『引っ越しプラン』もあるようです。
プランの中に『古い住宅から仮住まいへ』『仮住まいから新居へ』の2回の引っ越しにプラスして、倉庫で荷物を預かってもらえるサービスを行っている業者も多いので、確認してみると良いでしょう。
必要な手続き3つを押さえよう
仮住まいへ引っ越しをする際は、次の3つの手続きが必要です。
- 電気、水道、ガスの停止手続き
- 固定電話の移設
- 郵便物の転送手続き、NHK受信料
①電気、水道、ガスの停止手続き
手続きをしないと、使っていないのに基本料金を支払うことになってしまうので、忘れずに手続きをしましょう。
②固定電話の移設
仮住まいでも固定電話を利用したいときには『移設』の手続きをします。
但し、仮住まいが同一市町村外の場合や、同一市町村内であっても収容局が変わると市外局番が変わってしまう場合があるので確認が必要です。
固定電話は使わず、仮住まい中は携帯電話で済ませる場合は『利用休止』や『一時中断』にもできます。
但し『利用休止』の場合は再度利用する際に電話番号が変わってしまいますし、『一時中断』の場合は同じ番号は使えますが、月々の回線使用料が掛かります。
他の方法としては、固定電話の回線をそのまま残し、携帯電話に転送する手続きも可能です。
いずれにしろ、電話を止める工事費、電話を再開する工事費など費用についても含め、契約している電話会社に確認し、検討することが必要です。
③郵便物の転送手続き、NHK受信料
郵便物は郵便局で転送手続きをしておきましょう。
窓口での手続きの他に、郵便局のホームページから手続きをすることもできます。
また、仮住まいが近い場合は、建て替え中の自宅に仮ポストを設置して、そこに配達してもらうことも可能です。
NHK受信料については、住所変更の手続きをすることが正式な方法です。
こちらもインターネットで簡単に手続きすることができます。
【他にも手続きした方が良いものはないですか?】
仮住まいは、建て替え期間中に暮らす一時的な場所なので、手続きをしなくても支障がないものもあります。
例えば免許証やクレジットカード等の住所変更は、手続きをしなくても特に問題はありません。
但し勤務先までの交通費等、仮住まいの場所によっては手続きを取った方が良いこともあるので、よく確認しておきましょう。
建て替え期間中にすむ『仮住まい』の探し方
建て替え期間中の仮住まいとなると、短期の契約になってしまうので、絶対ではありませんが不動産屋さんからはあまり歓迎されません。
でも『短期』と言っても、半年以上は掛かるのでマンスリーマンションでは割高ですし、ホテル住まいでは費用が掛かりすぎます。
地域の不動産屋さんでタイミングが合えば賃貸物件を紹介してもらえる場合もあるので、相談してみるのも一つの方法です。
長い期間空いている物件や、なかなか買い手が見つからない『売家』など、相談して貸してもらえる事もあるので、先ずは足を運んでみましょう。
また、依頼先の住宅会社に相談してみるのも良いでしょう。
特に建て替えを得意としている会社であれば、仮住まいできる物件を紹介してくれたり、仮住まい探しを手伝ってくれるはずです。
地域にもよりますが、仮住まいを専門に扱っている会社もあるので、利用するのもお勧めです。
特殊な例ではありますが勤務先に社宅がある場合などは、空きがないか確認してみるのも良いでしょう。
運が良ければ借りることができるかもしれません。
土地に余裕がある場合は、プレハブ(ユニットハウス)をレンタルして敷地内に仮住まいとして建てると言う方法もありますが、こちらは仮住まいを探す手間は省けますが、コスト的には高くなるので参考までに・・・
仮住まいの期間中、ペットと一緒に暮らせる?
最近では、ペットと暮らせる賃貸物件も増えてはいますが、やはり全体的に見れば少ないのが現実です。
更に短期の契約となれば物件数はかなり少ないと思われます。
ペットが部屋を汚す恐れもあると思われがちなので、敷金が割高になる場合もあります。
費用を抑えたいのであれば、引っ越したばかりでハウスクリーニングがまだ入っていない物件をそのまま借りると言う方法もあります。
不動産屋さんもしくは大家さんに直接相談してみるのも一つの方法ですので、検討してみるのもいいでしょう。
また、どうしても見つからなかった時のことも考え、実家や信頼できる知人で預かってくれる人がいないか検討しておくことも必要です。
実家や知人に預けると、時々様子を見に行くことができますし、預けられるペットも安心できるというメリットがあります。
ペットホテルに預けると言う方法もありますが、それは費用的にもペットの精神的にも最終手段と考えておいた方がよいでしょう。
建て替え後もそれ使う?家具や荷物は仮住まいに運ぶ前によく考えて!
解体工事の日程や仮住まいが決定したら、引っ越しに向けて荷造りを始めましょう。
仮住まいへの引っ越しで気をつけたいのが、仮住まいへ持ち込む荷物は『必要最低限に抑える』と言う点です。
仮住まいが今まで暮らしていた住宅と同じ大きさの一戸建て住宅ならば話は別ですが、大抵は小さい物件で数か月の仮住まい生活を送ることになるので、荷造りする段階で『仮住まいに持っていくもの』『新居へのみ持っていくもの』に分けて荷造りすると良いでしょう。
そして仮住まいでも新居でも使わない『不用品』は、この機会に処分することをお勧めします。
例えば古いタンスや食器棚などの家具・・・新居には収納力抜群のクローゼットはついていませんか?
キッチンには素敵なシステムキッチンと同じシリーズの食器棚を設置する予定はありませんか?
家具も含め、必要か不要か、よく考えて引っ越しの準備をしましょう。
不要品は、大型家具などは粗大ごみとして処分すると費用が発生するので、リサイクルショップ等を利用するのも一つの方法です。
近年では不用品の処分や、荷物の預かりサービスをしている引っ越し業者もあるので、仮住まいに入りきらない荷物については問い合わせてみても良いでしょう。
他にも、トランクルームを利用する等の方法がありますが、いずれにしろ料金が発生することになるので、詳細を確認して後々困らないよう上手に利用したいものです。
建て替え期間中のインターネットや住民票は?
仮住まい中のインターネット
1~2か月の話ならそのままにしておくことも選択肢の一つではありますが、半年以上となると料金が勿体ないような気がします。
ただ残念ながらインターネット回線については『一時中断』や『休止』をすることができません。
選択肢としては
- 解約する
- 移転する
- そのまま払い続ける
以上のいずれか一つです。
仮住まい先でインターネットを使わないのであれば『解約』して、新居が引き渡されたところで『新規契約』する方法もありますが、月々の料金が掛からなくなると言う利点がある反面、契約の内容によっては解約時に違約金が発生したり、新規で契約する時に、それまで使っていた電話番号が使えなくなったりのデメリットもあるので、よく確認することが必要です。
『移転』についても同様で仮住まい先での利用が可能か、工事が必要な場合は工事費はどれくらい掛かるか等、確認が必要です。
仮住まい先に回線設備が整っている場合は、比較的簡単に利用することができるようになりますが、こちらもよく確認しましょう。
場合によっては『そのまま払い続け』仮住まい先では、『ポケットwi-fiを利用する』なんていう方法が安くすむ場合もあるので、比較検討することが大事です。
仮住まい先に住民票は移すべき?
基本的には、引っ越しをして2週間以内に転入届を提出することが義務付けられていますが、一時的な仮住まいが1年未満の場合は手続きをしなくても問題ないことになっています。
また、もし仮住まい期間が1年以上になってしまっても、生活の本拠地が変わらないのであれば、手続きは必要ありませんし、この場合は法令違反にはなりません。
まとめ
建て替え期間中の数か月間ではありますが、仮住まいでの生活も出来れば快適に過ごしたいですよね?
家賃や引っ越し費用などの金銭面の心配事もありますが、仮住まいでの生活は新しい家で始まる生活の準備期間でもあります。
妥協点を見つけながらも快適に過ごせる『仮住まい』を求めて、早めに行動、確認することが大切です。