新築3年で住宅が傷む?戸建住宅の換気システム・5つの知るべきこと

新築3年で住宅が傷む?戸建住宅の換気システム・5つの知るべきこと

住宅にとって、意外と重要なポイントではありますが、見落としがちになりやすい項目である「換気」について、押さえておきたいポイントがあります。

「換気」を怠ると、住宅そのものを傷めることになります。カビが生じmそこから腐食やシロアリの原因にも繋がるのです。

また、シックハウス対策として「換気」は重要な対策として位置付けられていますので、これを機にしっかりと換気システムについて理解しておきましょう。

換気システムには3種類ある!基礎的だけど大切な知識

住宅に関しての「換気」と言われると、皆さん想像されるのはレンジフードやトイレお風呂で使われている換気扇を思い浮かべる方が多いかと思われます。

しかし、住宅の換気システムには3つの種類があります。

呼び方としては、第1種換気、第2種換気、第3種換気と呼ぶ3種類の換気方法ですが、まずはこの3つの種類の換気方法をご紹介していきます。

1.第1種換気 実生活で安定した換気ができる!

換気の機器で給気(住宅に空気を取り入れる)と排気(住宅から空気を吐き出す)を行う換気方法です。

メリットとしては空気の流れが安定することです。

最も一般的な第3種換気ですと、例えば窓が開いていたり、住宅自体の気密性が低い場合は、換気がしっかり行われない場合があります。

第1種換気では給気と排気を、換気扇で行なっているためそういった実生活において、安定した空気の入れ替えが可能です。

しかし反対にデメリットとしては、初期コストが他に比較して高く掛かってきます。当然、給気も排気も機械で行なっており、その分費用としても高くなってきます。

2. 第2種換気

現在、一般住宅ではほとんど行なっていない換気方法ですが、こちらは給気(住宅に空気を取り入れる)を機械で行い、排気は自然に任せる、もしくは自然排気口(換気扇ではないガラリ)から排気する、という換気方法です。

こちらは住宅でなく、常にその空間をキレイな空気にしないといけない手術室のような特殊な換気方法です。

さてなぜ、住宅でこの換気方法が使われないか?は、特に冬に湿気を伴った空気を部屋へ流入させると、後述で解説する壁内結露に繋がり、住宅を傷めるスピードを上げてしまうことに繋がる可能性が大きいからです。

3. 第3種換気

現在、最も採用が多い換気方法です。

給気を自然給気口から行い、トイレやお風呂などから部屋の中で淀んだ空気を排気する換気方法です。

先ほどの第1種換気で記述したデメリットがありますが、多く採用されている理由としては、初期コストが安く済み、住宅自体に及ぼす影響も少ないというメリットからです。

上記から3つの換気方法がありますが、新築を検討されている方は、予算やその工務店の建築方法を考慮して、まずは換気方法を相談してみてください。

換気が不完全な場合に及ぼす2つの影響

1.住宅への影響

換気がしっかりされていない、または間違った方法で換気がされている場合、住宅に対して傷みを早める場合があります。

先ほどの記載した「壁内結露」です。

冬をイメージして頂くと想像しやすいかと思いますが、部屋の中で加湿器などで湿気を上げた空気が、部屋の壁にある隙間や、コンセントの穴などから壁の中に入り込んだりしていきます。

ここからは、理科の話になりますが、気体に含まれる水蒸気は、冬の冷たい外壁の裏側で冷やされると液体に戻ることがあります。

要するに、部屋の湿気が、壁の裏側の柱や断熱材などに付着してカビや生じてきたりすると、当然そこから腐食やシロアリの原因になってきたりするわけです。

壁内結露への対策

この壁内結露は新築して数年で影響がで始めることもあり、しっかりとした対策を施すことが大事です。

心配な方は第1種換気にすることや、コンセントに気密型タイプがあったりしますので、そういったコンセントやスイッチで工事をしてもらうようにお願いをしてみましょう。

また、換気を止めている方もたまにいらっしゃいますが、換気を止めることで空気が淀み部屋全体のカビなどの増殖が促進されます。

空気を入れ替えず換気せずに、放置している住宅が傷みやすい、という話がありますが、これはカビなどによるものです。

2.体への影響

住宅に対してこういった影響があることに比例して、人体へも少なからず影響があります。

現在は法律で24時間換気が義務付けされています。この義務付けされた理由は「シックハウス症候群」です。

関連記事:家のシックハウス対策!考えうる対処法を伝授します

名前を聞いたことがある方も多いかもしれませんが、建築資材から放出されるアレルギー性のある物質が原因で、体の調子が悪くなる、皮膚などに湿疹などが出る、アトピーなどの原因の1つであるとも言われており、無視できない多大な影響が出るとこがわかりました。

これを踏まえ、平成15年に24時間を通じて住宅では換気をし続けないといけない、という建築基準法が改正されました。

アトピーやアレルギーの原因は様々な理由があるため、一概に換気だけではないかと思いますが、新しい住宅に引越しをしたらアレルギーが軽くなった、反対にそういった症状が出てきた、という事例は少なからずあります。

現在の商品では、PM2.5や花粉などを取り除いて給気してくれる換気システムもあります。

当然、定期的に換気のフィルターを掃除したり交換したりする必要はありますが、花粉症などに悩まされている方には朗報です。

参考URL:三菱電機 換気システム

こういった商品で換気をしている住宅に住んでいる方で、外出しているときは花粉症が酷いが、自宅に帰ってくると多少楽になる、という方はいらっしゃいます。

春先に限らず現代の世の中は、色々な種類の木や植物の花粉症や、PM2.5、排気ガスなどもありますので、新築の家に費用を出しても導入したいという要望は結構多く寄せられています。

新築の際に導入もあり!おすすめの換気システム

ここでご紹介したいものは、第1種換気システムを中心とした商品になってきますが何社かのシステムをご紹介します。

パナソニック 換気システム(第1種換気システム)
http://sumai.panasonic.jp/air/kanki/kodatekicho/netsucas.html

第1種換気システムには、ダクトで天井裏や基礎の空間を利用して空気をセントラルのシステムで、管理するシステムがあります。

普通の30から40坪前後の大きさの住宅であれば、1〜2個のシステムで住宅全体の換気をまかなうことができます。

一括で管理することにより、フィルターを全て通過して、空気を綺麗にして各部屋に新鮮な空気を届けたり、熱交換ということが可能になります。

熱交換があるか、ないかでエアコンの効きの違いなどの効果が出てきます。

ダイキンの熱交換型換気システム
https://www.daikinaircon.com/catalog/kanki/va_home/feature/

上記のダイキンのホームページにあるように、例えば冬をイメージしていただき、室内でせっかく温めた空気を換気で外に放出するのは勿体無いですよね?

さらに換気のため外から新鮮ではあるけれども寒い空気を取り入れると、お部屋が寒くなってしまいます。

この際に、空気自体は混じらないように熱だけ、伝えていく技術です。

この技術は、熱自体が熱いところから、寒いところへ移動する性質を利用しています。

例えば、冷たいコップを持つと、手から熱が自動的に奪われます。

なので、お互いの空気が通過する表面積を大きくすることにより、先ほどのの冬のイメージでは、部屋で温められた空気の熱だけを、新たに取り入れる外の冷たい空気に熱を伝えて、温度を上げて給気してくる仕組みです。

各社の換気システムでは、フィルターの性能や熱交換に性能がバラツキがありますが、おおよそ性能的にできることはこの2点のシステムを搭載しているシステムが非常に満足度も高くなります。(費用面は高くなってしまいますが)

換気システムのメリットや効能の一例

上記のようなシステムを導入した場合の効能の一例を紹介します。

・外からの音が聞こえにくい(音が外に漏れにくい)

第3種換気ですと、リビングなどに給気の換気口が開いていることがありますが、そこから音が出入りします。

ダクト式の換気システムの場合ですが、給気口の穴が不要になってくるため気密性が高くなってきます。

・部屋と廊下などの温度差が少なくなる

住宅全体の断熱性能が、国で定められている断熱性能や気密性能が確保されていることが前提になってきますが、換気がしっかりされていることで暖房や冷房が効いているリビングなどの居室と、廊下などの非居室の温度差が、第3種換気の通常の住宅に比較すると温度差が少なくなり、ストレスの軽減につながります。

・換気でにおいがこもらない

例えば、焼肉などを部屋でした場合次の日までにおいが残ることがあると思いますが、そういった匂いが消える時間も早くなります。

・洗濯物が生乾きになりにくい

洗濯物の生乾きの原因は淀んだ空気による、菌の増殖からくるものです。

換気がしっかりしていると、生乾きの妙な匂いが減ったりします。

また乾き方も、締め切って換気を施していない部屋に比べて乾く時間が短いです。

主婦にとってはとても嬉しいものになるでしょう。

・熱交換器を持っているシステムは省エネ

熱交換器を持っているシステムを、住宅全体に導入した場合は、エアコンの使用電気量が削減できたというメーカーのデータもあるため、省エネにもつながります。

参考URL:三菱電機(換気扇・換気空清機ロスナイ)

換気システムを後付けするリフォームの際に検討すべきこと

リフォームになってくると、相当大掛かりなリフォームをしないと天井裏や基礎下などにダクトが回せないため、壁に取り付けるタイプの換気システムがあります。

参考URL:パナソニック

パナソニックのこちらの商品は壁付けで、熱交換器がついてるタイプの換気扇もあったりするため、リフォームや、子供部屋やウォークインクローゼットなどの局所的に換気をしたい場合などにも設置ができたりするものもあります。

まとめ

戸建住宅を新築する際に、内装や住宅設備や間取りなどには気を払いますが、なかなか換気の話までには気が回らないことが多いかと思いますが、住宅業界ではスマート・ウェルネス・住宅ということで、健康に気をつかった住宅が増えてきています。

今新築をお考えの方は、換気がどうなっているかを住宅会社や、工務店に相談してみましょう。