今回は建売住宅を購入する際に必要となる諸費用についてご紹介します。
建売住宅を購入する際は物件の販売価格以外にも必要となる費用があります。
いわゆる諸費用というものです。
自動車を所有されている方は、車を購入する際も諸費用って必要になるので少し似ていますよね。
でも建売住宅の諸費用の場合、自動車の諸費用と比べ、種類が多く高額です。
しかも、車の場合は大抵どの車種でも同じような諸費用がかかりますが、 建売住宅の場合は購入する物件によって、必要となる諸費用の種類も金額も異なります。
そういったこともあり、建売住宅を購入する際に必要な諸費用について詳しく知らないお客様が本当に多いです。
この諸費用に話を知らないと、ちょっと損してしまうこともありますのでご注意下さいね。
この記事では建売住宅を購入する際に、ぜひご注意頂きたい5つの注意点をご紹介します。
この記事の目次
1.建売の諸費用は”実費の諸費用”と”業者の手数料”に注意
実費の諸経費を押さえよう
建売の諸費用の中で、まず最初に注意して頂きたい点は「実費の諸経費」と「そうでない業者の手数料」との見分け方です。
具体的に例を挙げると、建売住宅の中で実費の費用(後日実費精算となり余ったら返金されるもの)は、登記費用・印紙代・火災保険料・水道加入金・銀行関連経費(住宅ローン関連)・固定資産税精算金などがあります。
実費清算の諸費用 | ||
項目 | 金額目安 | 備考 |
登記費用 | 40〜50万円 | 物件内容・借入金額による |
火災保険料 | 10〜30万円 | 補償内容による |
水道加入金 | 10〜15万円 | 自治体による |
銀行関連経費 | 50〜100万円 | 借入金額による。保証料を一括支払い |
これらの諸費用は、建売住宅の購入時に、業者に預り金として納めるケースが多いです。
物件引き渡し後に諸費用の精算が行われ、実際に使用したお金以外の余った分が返金される仕組みです。
滅多にないケースですが、 これらの諸費用が実費精算でないケースは悪質な可能性があります。
事前に建売販売業者側へ、実費精算がるかどうかご確認されることをおすすめします。
決まった諸費用(手数料)
一方、実費の諸費用に対して、決まった金額を支払わなければならない諸費用があります。
いわゆる手数料です。例としては仲介手数料があります。
実費清算無し(手数料)の諸費用 | ||
項目 | 金額目安 | 備考 |
事務手数料 | 20万円前後 | 業者により異なります |
設計図面作成料 | 10〜30万円 | 建売の場合、価格に含まれている場合あり |
確認申請代行料等 | 10〜15万円 | 建売の場合、価格に含まれている場合あり |
仲介手数料 | 100万円前後 | 物件価格×3%+6万円×税 |
仲介手数料はメジャーなものですし、購入物件に対して決まった計算式で算出されるのでごまかせられる可能性も低く安心ですが、業者の中には仲介手数料の他に事務手数料といった諸費用を請求してくるケースもあります。
この手数料の名目は住宅ローンなどの事務手続きの代行手数料や、その他の建売購入に際しての事務代行手数料として請求されるものがほとんどです。
この手の手数料は基本的に業者の儲けです。
統一された金額の根拠はありません。
建売販売会社によって規定は様々あるのが実情です。
もし、 見積書の諸費用の欄に手数料が計上されていたら、その手数料は全てのお客さんから一律にもらっているのか、物件ごとに異なるのかぜひご確認下さい。
手数料の金額も業者によってまちまちです。
対応策としては、住宅ローンの事務手続き等を購入者が自ら行う場合などは手数料を不要にしてもらえるかなど事前に確認してみるのも有効な手段です。
2.仲介手数料ってどの建売住宅も諸費用として必要なの?
注意点の2つ目は、先程も紹介した仲介手数料です。
この仲介手数料ですが、すべての建売に必要となるわけではありません。不要なケースもあるのです。
具体例をあげてご説明します。
- 売主Aから直接建売住宅を購入する場合は仲介手数料は不要です。
- しかし売主Aとは異なる不動産業者Bの仲介で建売住宅を購入した場合は、不動産業者Bに仲介手数料を支払うことになります。
ここで注意して頂きたい点は、直接、売主Aから建売住宅を購入することができれば仲介手数料は不要になる点です。
これは建売に限らず土地の場合も同じです。
最近は、一つの物件を複数の不動産業者が仲介物件としてネットで紹介するケースも多いので、一見売主なのか仲介業者なのか誤認してしまう場合があります。
物件概要に必ず売主か仲介かの記載はありますのでご注意して確認下さい。
問合せをする前に売主の業者はどこか事前に調べておくとよいと思います。
まれに、売主(A)の関連業者(B)に販売代理提携をさせ、Aから直接購入はできないようにして、必ずBに仲介手数料を徴収させようとする業者もあります。
うまいビジネスモデルですが消費者にとっては迷惑な話ですので注意が必要です。
ちなみに仲介手数料の計算式は
仲介手数料=物件価格×3%+6万円×税
です。
仮に3000万円の物件を購入した場合は、
3000万円×3%+6万円×税(10%)=105万6千円
この金額の仲介手数料が必要となるのです。
売主から購入すればこの仲介手数料が0円になるわけですね。
3.建売の諸費用で銀行の印紙代・用紙代・申込手数料・保証料は住宅ローンから差し引かれる
注意点の3つ目ですが、住宅ローンに関連する諸費用の話です。
建売住宅の見積書に住宅ローンの諸費用が記載されている場合が多いのですが(記載されているというところは良心的です。)
この銀行関連の諸費用は直接銀行に吸い取られる経費なので、業者に支払うものではありません。
具体的には、住宅ローンの借り入れ金額から、自動的に銀行が必要とする諸費用を控除して、住宅ローンが借主の通帳に振り込まれるといった仕組みです。
銀行が諸費用をとりっぱぐれる事のない理想的なシステムですね。笑
建売販売業者の中には、販売業者側が直接徴収する諸費用ではないことをいいことに、実際は必要な費用なのに見積書に計上していないケースもあります。十分ご注意下さい。
大きな費用となる保証料
ちなみに銀行関連の経費で最も費用がかさむのは保証料です。
銀行によって、また借入する人によって金額は異なります。
3000万円を住宅ローンで借入した場合は、60万円~100万円程度の保証料が必要となるケースもあります。
最近は保証料を一括払いしないで、金利に上乗せして分割払いするケースもあります。
4.網戸・照明器具・家具・カーテン・外構工事代金が諸費用として必要な場合もあり
注意点4つ目です。
諸費用と聞くと手数料関係をイメージする方も多いと思います。
しかし、実際には
- 家具代金
- 家電代金
- カーテン工事代金
- 外構工事(駐車場のコンクリートなど)代金
が別途諸費用として必要となる建売住宅も多いです。
こういった建売住宅の特徴はチラシやネット広告に物件代金が異様に安い金額になっている場合が多いので、他の建売や近隣の相場よりも異様に安い場合は必ず建売の現地・現場を確認し、含まれている工事内容をご確認下さいね。
中には網戸や照明器具も別途諸費用として必要となる建売もあります。
当たり前についているだろうと思い込んでしまうと後で追加費用が発生してしまうことになりかねないのでご注意下さい。
なお、一般的に駐車場のコンクリート工事は2台分でも40万円前後の費用は必要になります。
カーテンは20万~30万円。そこに家電や家具、照明器具を加えると、なんと200万円以上も費用が追加発生するケースも考えられますよ。
5.建売住宅の火災保険は保険料の比較でお得になる?
注意点5つ目は火災保険料についてです。
今、火災保険は最長で10年間分の火災保険料一括支払いが可能です。
この火災保険料ですが、建売の諸費用としてほとんどの場合、見積書に計上されています。
この火災保険、もっとお得に、安く抑えることが可能かもしれませんのでご注意下さい。
建売販売業者が紹介する火災保険会社は、大抵その業者が代理店契約をしてることが多く、一件成約になると手数料収入が建売販売業者に入る仕組みです。
ですので、手数料収入目当てで本当は不要な補償や特約を付けられて提案されるケースもあるようです。
やはり 自分に本当に必要な補償を見極めることは重要です。
なにより保険料が大きく変わりますから。
具体例としては水災のリスクがほぼないエリアでも水災の補償付の見積りになっているケースもあります。
水災の補償を外すだけで、なんと10万円以上も保険料を安く抑えることができる場合もあります。
こういった事態を回避するのにおすすめの方法があります。
それは セカンドオピニオン的に建売販売業者から紹介された火災保険会社とは別の保険会社に見積もりを依頼する方法です。
最近はネットで簡単に火災保険の見積り依頼が可能なのでおすすめですよ。
火災保険の補償・特約の見直し・保険会社の見直しで10万円程度節約できるのであればしない手はありませんよね。
6.諸費用はしっかり確認し見直す姿勢で
建売住宅を購入する際に必要となる諸費用について注意点を紹介させて頂きました。
建売住宅を購入する場合、諸費用は必ず必要なものです。どの建売住宅を購入する場合でも必要となります。
しかし、その内容をしっかり確認し見直すことで、お金を節約することが可能です。
最近は情報化社会となり消費者の方もたくさんの情報を、建売購入前に仕入れることが可能となりました。
しかし、住宅業界・不動産業界はまだまだブラックボックス的な部分も多い業界です。
リアルな情報・実情を知らないと損してしまうケースも少なくありません。
今回、よろしくない業者の例として紹介した話もありますが、この記事で紹介した注意点をすべて網羅し、ベストな提案をしてくれる会社もたくさんあります。
ぜひ、建売住宅の諸費用の5つの注意点を参考にして頂き、優良な会社、信頼できる担当者から建売住宅を購入して頂ければ嬉しいなと思います。