失敗しない子供部屋の作り方!抑えるべき5つのポイントとは

子供部屋を作る前に知るべきこと

子供との関わり方を考え直すチャンスになるのが子供部屋の計画です。

どんな生活スタイルであっても、子供を孤立させる間取りだけは避けたいものですよね。

特に、子供が帰宅した時に家族と顔を合わせずに自室へ行けるような間取りは、孤立化を招きやすいといわれています。

成長とともに変化する子供部屋をどのように計画すればよいのでしょうか。

また、持ち物や使い方も変化していく、子供部屋にあふれるたくさんの物をどのように収納すればよいか困っている方も多いと思います。

そこで、ここでは子供部屋を計画するうえで大切なポイントをまとめていきます。

①家族の目が届く子供部屋を計画する

引きこもりや少年犯罪など、子供にまつわる事件が激増している昨今、子供をどう育てるかは夫婦の大きな課題ではないでしょうか。

どんな大人に成長するかというのは、子供時代の生育環境がとても関係しているのですから、親として子供の住環境はできるだけ良い環境を作ってあげたいですよね。

子供を孤立させないために、家族が集うリビング・ダイニングなどと、子供部屋・浴室・洗面・トイレ・玄関などは、家族が声をかけられるような動線になるよう計画することが大切です。

幼い頃には親のそばにいたがった子供も、成長すれば個別の空間を必要とするようになり、いずれ独立でもすれば不要になってしまうのが子供部屋の難しいところ。

子供部屋を計画するときは将来のことも考えながらプランを立てましょう。

②広さを調整できるようにしよう

子供が何人もいる場合、ひとりひとりに個別の独立した部屋を用意することが難しい家庭も多いと思います。

そんなときはアイデアでひとり一人の空間を作ってあげましょう。

例えば2人の子供がいる家庭の場合、小さなころからひとり一人に一つずつの部屋を確保する必要性は低いと思います。

8~10畳程度の広さの部屋を用意して、小さなころは広いプレイルームとして使い、成長するにしたがって2つの部屋に分けることを想定して計画するとよいでしょう。

この場合、 注意したいのは窓と扉の位置です。

2部屋に分けたら片方の部屋には窓が無い、扉がなくて隣の部屋を通らないと出入りができない、などという不具合が生じないように、あらかじめ2つずつ設置しておければ将来の変化にもすぐに対応できます。

照明器具やコンセント、スイッチの位置も注意して計画しましょう。

学童期の子供部屋には、はしご段で昇るロフト式のベッドにして、床部分を有効活用するというアイデアがおすすめです。

子供たちは高いところや、下にできた空間に入り込んだりするのが好きなので、遊び心一杯の楽しい空間になりますよ。

部屋を仕切るには、隔壁を設ける方法と、棚やクローゼットなどの家具を間に置いて分ける方法があります。

将来子供が独立したとき、子供部屋は不要になる可能性もありますが、そうなったときに子供部屋をどう活用するかを考えて、プランを練る必要があります。

家具で仕切る方法なら簡単にひとつの部屋に戻せます。

一方で、家具などで仕切る場合、天井までに隙間ができたり、完全には分離した部屋にならない場合も多いので、完全なプライバシーの確保ができない可能性があることも考えて、どちらが良いか決めましょう。

③成長段階別の子供の特徴と居住空間に対する要求

子供は成長とともにプライバシーを確保できる空間を欲しがりますよね。

自立心を育んだり、勉強に集中させるため、個別のスペースを与えて責任を持たせることも必要です。

兄弟姉妹の年齢差、性格も考慮しましょう。

年齢差がそれほど無い場合は、できるだけ平等にスペースを与えられるようにしつつ、同性の兄弟姉妹ならある程度開放可能、異性なら独立という考えで構成します。

また、家づくりの時期と子供の成長過程をよく考えましょう。

子供が小学校高学年以上ならば、ある程度確定的な間取りを考えられますが、幼児期の場合や、これから子供が産まれるような場合であれば、変更しやすくしておくことが大事です。

では、時期別に見ていきましょう。

・乳児期

赤ちゃんの無力の状態から、はう・つかまり立ちをするようになります。

ミルクをつくる場所や、保育、育児に必要なものを置くスペース、そしてひとり遊びのための安全な場所を家族の目が常に届く場所に確保したいですね。

・学齢前2~4歳

筋肉・言葉の発達が著しい時期です。

ドアを引っ張る、引き出しを出す、ボール遊びを始めたりします。

母親など保育者の目の届く遊び場が必要です。

おもちゃを出して遊べる場所、おもちゃの収納場所を確保し、また外遊びも始まるため、三輪車などの外での遊び道具の収納場所や置き場所を決める必要があります。

・学童期5~7歳

自分で着替え、食事をし、少し技術を要する道具も使えるようになってきます。

自分で整理できる衣類のしまい場所や興味のあるものをつくる場所が必要になってきます。

身体にあった寸法の机や明るく適度な照明にも気を使いたいところです。

・学童期8~12歳

グループで遊んだり、勉強・活動を毎日行い、ゲームや肉体的活動もするようになります。

大きな絵を描いたり、本を読んだりする場所、身だしなみを整える場所、コレクション品や自転車、衣類などの収納場所が必要です。

・思春期13~17歳

異性に興味を示すようになり、自分の容姿や服装、室内装飾にも今まで以上に関心が高くなります。

友達を呼べる部屋にしたいですね。

親に監視されたくないので、個室を欲しがります。勉強のための部屋や趣味のためのスペースが今まで無かった子も、いよいよ絶対的に必要になります。

・青年期18歳~

異性に対して興味を示し、生涯の方針についても考える時期です。

独立する子供もでてきます。パソコンやオーディオ機器、ステレオ、テレビなど家電も置けるスペースや、身だしなみや化粧を落ち着いてできる場所が欲しいですね。

友人や異性をもてなす部屋で、たっぷりとした収納スペースが必要です。

このように子供部屋は子供の成長に合わせて要求するものも変化していきます。

子供が小さいうちに家づくりをする場合、可変性のあるプランを目指しましょう。

まだ個室が必要でない年齢の子供に大学生が使うような部屋を与えるのは不自然ですよね。

家庭の教育方針をふまえたうえで、何歳になったら個室を与えるか検討してみてください。

ひとり一人に個室を作ることが難しい場合は、カーテンや家具などで部屋を仕切って、ある程度のプライバシーを確保しつつ、子供用スペースを作ることもできます。

④学習に集中できる子供部屋の作り方

集中しやすい環境を考えるなら、広さや光の取り入れ方、内装のデザインなどがポイントです。

必要以上に広い部屋は落ち着けません。

また、内装があまりビビッドな色だと集中力の妨げになります。

やわらかな色合いを基調に、すっきりした寒色系がおすすめです。

暖色系なら薄い色を配するとよいでしょう。採光、通風も十分に確保することも忘れずに計画しましょう。

⑤子供部屋の賢い収納を考えよう

学童期以降の子供部屋は、衣類、学習用具、玩具、趣味のコレクション、寝具など、様々な種類の雑多な品物で子供部屋は溢れかえっています。

また子供の成長にともなって、持ち物も使い方も変化し、どんどん増えていくので、その変化に対応できる収納方法を考えなければなりません。

(1)衣類は造り付けの家具などに入れる

成長につれて増える衣類は、スペースをとらない造り付け家具やユニット家具、また、押し入れ用の衣装箱を用意したり、ロッカーを置く、ベッドの下に収納するなどの方法があります。制服・コートなどの使用頻度の高いものは、衣装かけがあると便利です。

(2)本・漫画の整理

教科書、参考書など今使っているものは勉強机のブックスタンドに収納します。漫画など、コレクションや趣味のものについては、子供の意見を聞きながら、部屋の本棚やリビングのコーナーなどに置くようにしましょう。

(3)玩具は透明ボックスに入れよう

幼児期はどの家でも玩具が溢れかえってしまいますよね。これらはキャスター付きの透明ボックスに入れ、埋もれている玩具も一目で中身がわかるようにして、整理整頓を習慣づけるのもよいですよ。透明ボックスなら、子供が成長した後は衣類の収納にも使えます。

(4)趣味の雑貨は見せる収納

スポーツの道具や楽器など大きなものでも、壁のフックに立てかけたり吊り下げるなどの収納方法があります。ぬいぐるみやお人形、コレクション品などは、しまい込まずに飾り棚や出窓に置くなど、あえて見せる収納にすると楽しい空間になりますよ。

(5)テレビ、オーディオ、パソコンなど

精密機器は、システム家具内に収納するとよいですね。CDやゲームソフトの類はオーディオ機器のそばに一括して納めましょう。デザイン性のあるキャビネットやラックを使用すれば、美観を損なわずに収納できますよ。片付けの苦手な子供には、収納を楽しいと感じさせる工夫も大切です。色が綺麗でおしゃれな収納家具や、ベンチ型のチェスト収納、トランク型のケース収納など、遊び心のあるアイデアは大切です。

子供部屋を作る前に・・新たな発見はありましたか?

わが子にできるだけ快適な子供部屋を与えたいと願うのは、心身の健やかな成長を祈る親心ですよね。

冷暖房完備でテレビに電話、オーディオ機器、パソコンまで備えた子供部屋がかえって密室のようになって引きこもりや社会との隔絶を生んでしまわないように、親と子がそれぞれ好きなことをしていても、互いの気配を感じあって暮らせるようなつくりであることが大切になります。

子供が小学校の間くらいまでは、家族の集まるリビングダイニングの一角、あるいはフリースペースなどに、長めのカウンターを配し、壁面は本棚にして、辞書や百科事典を収納し、パソコンコーナーなどを設けておいて、子供部屋はベッドと収納スペースを確保しておくだけにするというのも家族の目が行き届きます。

子供部屋というのは、幼児期は不要であり、小学生はほぼ寝るだけ、中学・高校生は自立の場になっていき、大学生・社会人は活動の拠点となり、子供が独立すればまた不要になります。

役割が大きく変化する子供部屋は、固定的に考えず、成長に応じて柔軟に変えていけるフレキシブルな場所として考え、計画できるとよいですね。