空前の猫ブームと言ってもいい今日この頃、SNSは猫のタグで溢れ、グッズや写真集は販売数を伸ばし続けています。
今やペットの飼育数では猫が犬を追い越すほどの人気。
これから猫を飼おうという方も多いのではないでしょうか。
この記事の目次
猫を飼う上で知っておきたいこと
猫を飼う時に注意しておきたいのが、猫を放し飼いにしないことです。
昔は猫を家から自由に出入りさせて飼うのが一般的でしたが、今はいろいろなリスクを考慮して獣医師も室内飼いを推奨しています。
猫が外に出てしまうと、
- 交通事故
- 感染症
- 他の猫との喧嘩に巻き込まれる可能性
- ノミや真ダニの感染
といった様々な危険があります。
糞尿や鳴き声などご近所トラブルの原因になるかもしれません。
大切な家族を守るため、外に出さないようにしましょう。
しかし、室内飼いとなると心配なのが猫の運動不足です。
そして、狭い室内に猫を閉じ込めるだけではストレスが溜まるのは言うまでもありません。
猫でも人間でも肥満やストレスは万病の元。
では、家の中という限られたスペースで運動不足を解消するにはどうすればいいのでしょうか。
そこで提案したいのがキャットウォークです。
高いところが大好きな猫の本能を踏まえて、自分から率先して体を動かすようにスペース作ればいいのです。
キャットウォークとは?設置の注意点
猫好きの方ならご存知かと思いますが、キャットウォークとは高い場所に設置された猫の通路のことです。
今は猫のストレス解消や運動不足防止につくられた設備をひっくるめて呼ぶことも多いようです。
猫は高いところや狭い場所が大好きな動物です。
そんな猫の本能をくすぐるように猫の行動をよく理解してキャットウォークの設置を考えましょう。
今はDIYなど手作りでキャットウォークを設置する方も多いかもしれません。
ですが、デザイン性や利便性、何より安全面を考慮するなら、プロのリフォーム業者や設計士と相談した上で設置することをおすすめします。
特にリフォームで天井を抜く場合は、建物の構造を傷つけないようプロに診断してもらったほうがいいでしょう。
1.新築でキャットウォークを設置する。建築基準法や費用の話
新築での設置を考える時に気になるのが、キャットウォークは床面積に含まれるかどうかです。
床面積は確認申請や家屋証明書など様々な書類に必要であり、50平米以上から120平米以下の建物はローンや税金が軽減されます。
なので、もしかするとキャットウォークの大きさで左右される場合があるかもしれません。
結論から申しますと、キャットウォークは床面積に含まれませんのでご安心を。
新築でキャットウォークを設置する費用はおおよそ10万円ぐらいです。
当然ながら素材や設置場所によって費用は変わってきますので目安として考えてください。
キャットウォークの幅は猫の性格や多頭飼いなど条件で変わってきます。
ただ、安全を考慮して幅を広げすぎてしまうと、猫の本能を刺激できずあまり使ってくれない可能性も。
幅は最低でも20センチ以上で、多頭飼いの場合はすれ違えるように幅に余裕をもたせてあげましょう。
自分の家の猫がどのぐらいの幅が好きか日頃から観察してみるのもいいかもしれませんね。
画像引用:三代目のダイアリー
2.梁を利用したキャットウォーク
皆さん、梁(はり)をご存知でしょうか?
梁とは床や柱の荷重を支える構造材のことです。
柱と柱を水平方向に結合させたもので、一般的には天井などに隠れて見えないよう設計されています。
しかし、最近では天井を高くして開放感をだすため、天井板を抜いてあえて梁を見せる意匠が流行っています。
そんな天井より高い位置にある梁はキャットウォークにもってこいです。
猫が梁まで上れるアプローチ(キャットステップ)をつくってあげるだけで、建物を支えるための梁がキャットウォークに変身するのです。
建物の構造上、梁の方向は決まっていますが、飾りとしての化粧梁なら自由に設置できます。
猫の散歩道を増やすことはさほど難しくありません。
その際、猫が歩くときに滑らない材質のものを選びましょう。
他にも、
- 猫のストレス発散用に爪とぎできるスペースを確保する
- 日なたぼっこのできる明かり窓を設置する
などの工夫をすれば、更に猫が喜ぶこと間違いなしです。
ただ、梁を見せる場合、屋根や床裏を隔てる天井をなくしてしまうので、冷暖房の効率や防音性が下がってしまいます。
その上、屋根には太陽光の熱が蓄積されるので、屋根裏の断熱をしっかり考えないと、梁の上が暑すぎて猫が寄りつかないという悲しい結果になるかもしれません。
リフォームの場合、天井を吊る骨組が鉄骨であったり、屋根裏の断熱材がむき出しであるなど、そもそも天井を抜くことができない可能性もありますので、まずは施工業者に相談しましょう。
画像引用:ネコトスム
3.壁付けや天井吊り下げのキャットウォーク
では、マンションなど天井を抜かずにキャットウォークを設置したい場合はどうすればいいでしょう?
この場合、壁にステップを設置するのが一般的です。
壁に棚を取り付けるDIYのような感覚で捉える方も多いかもしれません。
しかし、猫がステップに飛び乗れば荷重は体重の何倍にもなり、毎日使うとかなりの負荷がかかります。
取り付けの強度が不足していると落下事故に繋がりかねません。
リフォームで設置するなら、まず、業者に壁や天井の強度を確認してもらい、構造上問題のない場所に決めることが大事です。
壁下地の強度が足りない場合は補強工事が必要になることもあります。
棚一つ取り付けるにしても、場所によっては家の構造に深く関わる可能性があるので業者による調査は必須です。
画像引用:オーダー家具のナッシュ
リフォームでキャットウォークを壁や天井に取り付ける場合、クロス(壁紙)をめくって下地にボルトでとめる設置方法があります。
これなら強度は抜群ですが、クロスの張り替えなどかなり費用が掛かってしまいます。
しかし、これを良いきっかけとして部屋のクロスをペット用に張り替えてみるのもいいかもしれません。
例えば、壁用はひっかき傷に強く抗菌性のあるものを、天井は消臭に優れたものに張り替えると部屋の快適さも変わってきます。
4.猫穴で部屋の行き来を自由にしたキャットウォーク
キャットウォークを設置するなら広いリビングにと考える方が多いのではないでしょうか。
実際に調べても多くの方がリビングにつくられています。
しかし、問題となるのが猫のトイレ問題です。リビングは、
- キッチンと隣接していることが多い
- お客様が来訪する場所である
ということで、猫のトイレを設置するのは抵抗がある方もいるかもしれません。
やっぱり臭いも気になりますもんね。
猫は賢い動物なのでしつけさえすればトイレの場所はどこでも大丈夫。
常に換気ができるトイレや洗面所に置くのもいいかもしれません。
その場合、部屋のドアが閉まっていても自由に行き来できる猫の道をつくってやればいいのです。
画像引用:リノベる
例えばキャットウォークを設置した天井近くの壁を貫通させて他の部屋と行き来できるようにする方法もあります。
もちろん、構造用の柱や斜交いがない場所であるかを業者に調査をしてもらわなければなりません。
壁に穴をあけた跡の仕上げもプロにお任せすれば安心でしょう。
貫通させた猫穴には、ペットドアを取り付けることをおすすめします。
冷暖房効率の低下を少しでも防ぐためです。
その上、部屋から猫が出ないよう閉め切ることもできます。
画像引用:DAIKEN ペット壁内くぐり戸
ドアを閉めたままでもペットが自由に出入りできる室内ドアもあります。
これなら壁に穴をあけずに済みますね。
画像引用:DAIKEN ペットドア
健康寿命を伸ばすために・・他にも考えておきたい猫のためのフローリング
健康寿命を延ばすためのキャットウォークですが、猫が高齢になった時のこともあわせて考えておきたいものです。
梁のキャットウォークは高さがあるため落ちたら猫でも危険です。
落下防止のネットやハンモックの設置を後からでもできるようリフォームや新築工事の計画を立てることをおすすめします。
キャットウォークを設置すれば、猫が高い場所から飛び降りる回数も増えます。
その時、床が硬いのも怪我の原因になります。
滑りにくく傷のつきにくいペット用のフローリングはありますが、高所から何度も下りるのであれば柔らかいクッションフロアを床材として選ぶのも一つの方法です。
クッションフロアはその名の通りクッション性があり、柔らかく滑りにくいのが特徴です。
フローリング柄も選べるので、リビングでも違和感なく使えます。
嬉しいことに床暖房用フローリングの上から施工できるものもあるんですよ。
その場合、クッションフロア分の厚みが増えるのでドアの開閉などに支障がないか注意が必要です。
まとめ
完全室内飼いは猫にとって決して不幸ではありません。
しかし、限られた空間で猫がどれだけ快適に過ごせるかは家族である飼い主にかかっています。
猫はもちろんですが、家族も一緒に楽しく暮らせる家づくりを考えましょう。