寝室の悩みには「先に寝ている人を起こしてしまう」「部屋の中が片付かない」「着替えに時間がかかる」などがあります。
これらの悩みは、寝室のレイアウトや収納のポイントを知ることで解決できます。
レイアウトのポイントと広さに合わせた「レイアウトの例」をご紹介します。
この記事の目次
① ベッドの寝室:使いやすいレイアウトとは?
使いやすい寝室は、寝室で快適に眠れて、着替えや化粧がスムーズに行える寝室です。
使いやすい寝室レイアウトとはどんなレイアウトなのか、レイアウトのポイントや必要な家具や収納についてまとめました。
使いやすい寝室とは?
寝室には「就寝」「着替え、化粧などの身支度」のスペース、他には「書斎」「テレビ・ビデオ・読書などでくつろぐ」などのスペースがあります。
このようにいろいろなスペースが混在しているのが寝室です。
使いやすい寝室には、
- これらの必要なスペースが確保されていること
- それぞれのスペースが他のスペースの邪魔をしないこと
この2点が大事です。
スペースや他人を邪魔してしまう例とは
例をあげると、
- 就寝する時最後に寝室に入る人が先に寝ている人を起こしてしまう
- 書斎スペースの灯が先に寝ている人の睡眠の邪魔をしてしまう
- 書斎デスクに座っているとクロークの扉が開かない
- 収納が寝室内のあちこちにあり着替えや片付けに時間がかかる
などがあります。
このようなことがないように、寝室のレイアウトはベッドの位置と眠る順番と入り口の位置、収納の量や収納場所、着替えの動線を考えるようにしましょう。
ベッドと寝室入口の位置パターン
ベッドの位置は、入口の位置と動線を考えて決めるようにしましょう。例をあげて詳しく解説します。
例①;ベッド、入口とも部屋の中心にあるケース
この場合、中心から部屋に入るため先に寝た人の睡眠を邪魔することがありません。
また、ベッドが部屋の真ん中にある場合は、サイドからそれぞれベッドに入れるのでお互いに邪魔することがありません。
例②:ベッドは部屋の中心、入口は部屋のサイドにあるケース
この場合、サイドから部屋に入るため先に寝る人は奥のベッドに寝るようにすると後から寝室に入る人に起こされることがありません。
暗い中奥のベッドに行く場合、何かにつまずいたり、扉の開閉音で先に寝た人を起こしてしまうことがあるからです。
また、ベッドが部屋の真ん中にある場合は、両方のサイドからベッドに入れるのでお互いに邪魔することがありません。
例③:ベッドも入口は部屋のサイドにあるケース
この場合、ベッドの位置を入口から遠い位置にすることで睡眠の邪魔にならないレイアウトを作ることができます。
先に寝る人が奥に寝ると、後から来る人が先に寝た人を起こすことがありません。
寝室に必要な家具は?
寝室に必要な家具はベッド以外にどんな家具があるのでしょうか?
- ベッド横に置くナイトテーブル
- 洋服ダンス
- 下着や靴下、ハンカチなど小物を収納するチェスト
- 化粧をするためのドレッサー
- 書斎用のデスクやチェア
などがあります。
これらの家具が寝室に必要かどうかは、家全体の使い方や生活動線によって変わります。
- 下着は入浴の時に必要だから脱衣室に置きたい。
- 洗面で化粧をするから化粧品は洗面所に収納するから寝室にドレッサーは必要ない。
- 夜遅くや朝早くに書斎を使うから寝室以外のところに書斎があったほうが良い。
- 着物は1階の和室で着付けをするから、和箪笥は和室の近くに置きたい。
などいろいろなケースがあります。
また、夜勤がある場合は一日のほとんどの時間、誰かが寝室で眠っていることになります。
この場合、書斎やテレビ、ビデオをみるスペースは寝室以外のところにあったほうお互いに使いやすくなります。
寝室に必要な家具を考える時は、家族の生活パターンを考えながら決めるようにしましょう。
寝室に必要な収納量は?
寝室に必要な収納量は3つのステップで考えます。
※寝室に必要な収納量を考える3つのステップ
ステップ | 内容 | 詳細 | 備考 |
---|---|---|---|
ステップ1 | 寝室で行う行動を整理する | ・着替えをするか ・下着の収納は寝室が良いか ・リネン類はどこに収納するか ・布団や毛布はどれぐらいあるのか ・お化粧はするか ・書斎は必要か ・書斎に本棚は必要か ・TVやビデオを視るか |
コート類はどこに収納するか |
ステップ2 | 寝室に収納が必要な人数 | ・寝室で就寝する人数は何人か ・寝室に着替えが必要な人数は |
子供が一緒か、夫婦同室か、将来も考え検討 |
ステップ3 | 特別な収納は必要か | ・仕事用のスーツや作業着などはあるか ・趣味で集めている服やアクセサリーなどはあるか ・バックはどのぐらいあるか ・寝室以外に納戸や小屋裏収納は別にあるか ・着物の収納は必要か |
スーツケースの収納場所はどこになるのか 着物用タンスはあるか |
ウォークインクローゼットとクロークの違い
寝室の収納には、
- ウォークインクローゼットタイプ
- クローク
があります。どちらが良いかは、間取りと収納するもの、タンスの有無により違います。
それぞれの特徴とメリット・デメリットをまとめました。
ウォークインクローゼットの特徴とメリット・デメリット
出典:ユニバーサルホームHP
ウォークインクローゼット(WIC)は、ある程度の広さがあり人が中に入って洋服を選んだり、整理したりできるクローゼットです。
※ウォークインクローゼットのメリット7つ
- 洋服だけでなくバックやアクセサリー、帽子なども一緒に収納できる
- すべてのアイテムが一つのところに収納できるので洋服を選びやすい
- 一元管理なので、管理しやすい
- 衣替えの必要がない
- 布団や毛布・シーツなどのリネン類も一緒に収納できる
- 手持ちのタンスも置ける
- 扇風機やストーブ・加湿器などの家電も収納できる
※ウォークインクローゼットのデメリット3つ
- いろいろなものを一緒にスペースに収納するため、量が増えると使いにくくなる
- 人が歩く部分が必要なため、クロークより広いスペースが必要
- 棚やパイプなど使い勝手を考えたシステムを考えないと使いにくくなる
ウォークインクローゼットの広さは0.75坪~あります。
この場合、ほぼ一人分の洋服しか入りません。
ウォークインクローゼットの広さは何をどのぐらいの人数分収納するか考えながら決めましょう。
クロークの特徴とメリット・デメリット
出典:ダイケンHP
クローク(CL)は洋服を収納するために作られる収納(物入)で扉が付いています。
中は棚と洋服をかけるパイプが取り付けられています。クローゼットと呼ばれる場合もあります。
※クロークのメリット3つ
- クロークは歩くスペースがないため、ウォークインクローゼットと比較すると効率よくスペースを作れる(=寝室をより広く使える)
- 主に洋服だけの収納になるので片付けの効率が良い
- 扉を開けば一目でわかるので、管理しやすく探しやすい
※クロークのデメリット4つ
- 奥行が浅いため、奥行が必要な布団などの収納が難しい
- 奥行の深いクロークは、使えないスペースができる
- クロークに収納できないものは別に収納スペースを考えなければならない(布団や毛布・着物・帽子・アクセサリーなど)
- 衣替えが必要な場合がある
クロークの奥行は60~70㎝一般的です。洋服をハンガー掛けした奥行に合わせて作られます。
この奥行は布団を収納したりするには少し狭い寸法です。
② ベッドなどの家具の大きさ
使いやすい寝室を作るには寝室で使う家具選びが重要です。
寝室全体の広さにより家具のサイズを考えなくてはならないからです。
ベッドやチェスト、ドレッサーなどのサイズをまとめました。
ベッドの一般的なサイズ
ベッドの種類は、「セミシングル」「シングル」「セミダブル」「ダブル」「クィーン」「キング」の6種類があります。
セミシングルベッド
セミシングルベッドのサイズは、約幅80~90㎝・長さ195㎝(ヘッドボード除く)です。
一人用のベッドで、子供用ベッド、シングル用賃貸で使用するのに便利なサイズで、個室の寝室で広さが3畳~4.5畳の寝室に向いています。
シングルベッド
シングルベッドのサイズは、約幅100㎝・長さ195㎝(ヘッドボード除く)です。
一人用のベッドで最も多く使われているため、種類やデザインが豊富です。
3畳から4.5畳の広さの寝室に1台置く場合や6畳以上の広さの寝室に2台置く場合に向いています。
セミダブルベッド
セミダブルベッドのサイズは、約幅120㎝・長さ195㎝(ヘッドボード除く)です。
体の大きな方やゆったり使いたい方が一人で使うベッドです。
また、小さな子供と二人で寝る時に使われる場合もあります。
6畳の寝室のセミダブルベットとシングルベッドをいれ、シングルに大人一人、セミダブルに大人一人と子供一人が寝るというパターンになります。
ダブルベッド
ダブルベッドのサイズは、約幅140㎝・長さ195㎝(ヘッドボード除く)です。二人用ベッドの一番コンパクトなサイズのベッドです。
広さが4.5畳、6畳の寝室を二人で使う場合におすすめのベッドです。
クィーンベッド
クィーンベッドのサイズは、約幅160㎝・長さ195㎝(ヘッドボード除く)です。二人でゆったり使うサイズのベッドです。
寝室の広さは6畳以上ないと、寝室の使い勝手が悪くなるので注意が必要です。
キングベッド
キングベッドのサイズは、約幅180㎝・長さ195㎝(ヘッドボード除く)です。ほぼ、一坪サイズのベッドです。
ベッドのサイズが大きいため、ベッド回りに余裕が必要なため、寝室の広さは最低でも8畳、できれば10畳以上必要です。
キングサイズのベッドは、ベッドを搬入するために経路にも余裕が必要なので注意が必要です。
チェストやドレッサーなどの一般的なサイズ
チェストは衣類などを収納するためのタンスより小さい小型の家具です。
サイズは豊富で幅45㎝~・奥行は40~50㎝・高さは70~90㎝ぐらいです。
チェストは引出しなので、あまり奥行が深いと整理しにくくなります。
高さが高いと一番上の引出しの中がみづらくなります。
ドレッサーはサイズ、デザインとも色々です。幅は60㎝~・奥行は40㎝~・高さは70㎝~あります。
高さは鏡の形状によって大きく変わります。ドレッサーを置きたい場所や寝室の広さを考えて選びましょう。
③ ウォークインクローゼットとクロークの広さと使い方
ウォークインクローゼットとクロークの広さによる使い方の違いをまとめました。
ウォークインクローゼットの広さと使い方
ウォークインクローゼットは
- 一人用で0.75坪~2坪ぐらい
- 二人用で1.5から2坪
が一般的な広さです。
一人用WIC例(1坪タイプ)
二人用WIC例(1.5坪タイプ)
洋服だけを収納する場合や衣類が少ない場合はコンパクトでも大丈夫です。
しかし、和服や季節の家電、スポーツ用品なども収納する場合は少し広めなウォークインクローゼットが良いでしょう。
クロークの広さと使い方
クロークの広さは一人用として幅1間が一般的なサイズです。
1間で十分かどうかは服の種類(仕事着や趣味の服があるかなど)や下着や靴下、ハンカチ、アクセサリーなどを収納する場所も考えながら検討しましょう。
④ 寝室の広さ別のレイアウト例
寝室の広さは、1人用で3畳~あります。
それぞれの広さの寝室レイアウト例を見てみましょう。
3畳の寝室レイアウト
シングルベッドが1台入る広さです。セミダブルベッドを置くのはむずかしい広さです。
4.5畳の寝室レイアウト
シングルベッドとチェストが置ける広さです。ベッドのサイズはセミダブルでも大丈夫です。
5畳の寝室レイアウト
ダブルベッドが置ける広さです。シングルベッドを2台置くとチェストなどの他の家具は置けなくなります。
6畳の寝室レイアウト
シングルベッド2台が余裕をもっておけます。シングルベッドとセミダブルベッドの2台でも大丈夫です。
7.5畳の寝室レイアウト
余裕のある寝室を作ることができます。セミダブルベッド2台を置くことができます。書斎コーナーなども作れます。
8畳の寝室レイアウト
セミダブルベッドを2台置くこともできます。チェストやテレビなどを置いても大丈夫です。
寝室の広さによって、置けるベッドのサイズや家具、書斎スペースが変わってきます。
使いやすい寝室を作るには、
- 寝室で就寝する以外に必要なことはないか
- 何人で寝るのか
などを検討し、寝室の広さに合わせて家具を選び、寝室が片付く収納計画を行うようにしましょう。
そして、寝室の中がどのようになるか十分検討するようにしましょう。