最近、人気のある平屋住宅。
家を建てる土地が広かったら、ぜひ検討してみたいものです。
平屋住宅は、2階建て住宅と比べると割高と言われています。
このため、平屋住宅を検討するために、平屋住宅の間取りの特徴と建築費用、建築費用をおさえるアイデアを知っておきましょう。
この記事の目次
平屋住宅・大きな特徴
平屋住宅と2階建て住宅の間取りの大きな違いは、階段がないことです。
階段がないことで、効率的な間取りができると思われますが、住宅全体の形状や広さによって、使いやすさ、間取りの特徴が変わります。
3LDKの平屋住宅の広さと間取りの特徴
夫婦と子供2人という家族構成の間取りは、LDKと寝室・子供室2室の3LDKの間取りが中心になります。
平屋で3LDKの住宅を建てる場合、25~30坪の広さが生活しやすく、効率が良いと言われています。
4LDK・5LDKの間取りを25~30坪で作ると、各部屋の広さが狭くなり、収納スペースも少なくなるため、使いにくい間取りとなる傾向があります。
さらに、広さが40坪を超える平屋住宅は、暮らしにくい間取りになる傾向があります。
平屋で面積が広くなると廊下が必要になり、家事動線が長くなり、トイレが遠くなる部屋ができるからです。
また、床面積が広くなることで、窓が2ヶ所以上とれない部屋ができます。窓が1ヶ所だけの部屋は彩光・通風がとりにくくなるので工夫が必要です。
3LDK平屋住宅を検討する時には、床面積と間取りのバランスが重要です。
LDKと各部屋をどうのように配置するか、家事動線やトイレまでの距離、廊下の要・不要、収納の工夫などをよく検討しましょう。
平屋住宅の間取りには、2つのメリットがある
一つは、階段がないことで 住宅全体がバリアフリーになることです。
バリアフリー住宅は、高齢になった時だけでなく、妊娠時や病気の時、怪我した時にも安全で、安心して暮らせます。
また、歩きはじめたばかりの乳幼児期も安全です。
階段がないことは、家事も効率もよくなります。
階段や床段差がなければ、広い範囲を一度にお掃除でき、お掃除ロボットの運転効率もよくなりますよね。
洗濯においても、重い洗濯物を持って、2階のバルコニーに干しに行く必要もなくなり、同じ1階で効率よく洗濯干しができます。
バリアフリーになる平屋住宅は、主婦にとっては嬉しい「家事が楽な住宅」と言えます。
もう一つのメリットは、 家族間のコミュニケーションがとりやすい住宅になることです。
平屋住宅は、LDKを中心に個室を配置したり、玄関ホールを挟んでLDKと個室を分けて配置する間取りになります。
2階建てと比較すると、部屋同志の距離が近くなるため、帰宅したのがすぐわかる、声掛けしやすい、部屋にいることがわかりやすくなり、家族間の距離が近く感じられるようになります。
3LDKの平屋住宅の形状と間取りパターン
3LDKの平屋住宅の形状別の間取りの特徴をまとめました。
間取りの特徴を理解して、家族の要望に近い間取りができるように検討しましょう。
① 長方形:東西に長く配置するI型の間取り
住宅の形状が長方形の場合、東西に長く配置するⅠ型の形状の間取りが暮らしやすい間取りになります。
東西に長く配置する間取りは、南向きの部屋を多く取ることができます。
つまり、光がよくは入り、明るい部屋を多く作ることができるわけですね。。
夏は太陽が真上になるため、直射日光をさけることができ、冬は太陽高度が低くなるため、部屋の奥まで太陽光が入り、暖かい部屋になります。
東西に長い住宅は、廊下が長くなりやすくなるため、廊下の面積が増え、部屋の面積が狭くなる傾向があるので、 廊下の作り方に配慮が必要です。
長方形の間取りは、玄関を中心にLDKと寝室・子供室を左右に分けて配置する間取りや玄関や水回り、収納を1ヶ所にまとめて配置して、廊下の面積を減らす工夫をすると効率よい間取りになります。
東西に住宅の形が長くなるため、正方形に近い住宅と比較すると建築費用が割高になるというデメリットはあります。
②正方形:部屋への動線が効率的な間取り
住宅の形状が正方形の場合、LDKを中心に寝室や子供室を隣接させて配置する間取りになります。
LDKから寝室・子供室が近くなるため、コミュニケーションがとりやすい間取りです。
寝室と子供室は外壁に2方向面するので、窓を2ヶ所設けることができて彩光・通風が十分とれる快適な部屋になります。
また、正方形の間取りは廊下が短くなるので、LDKや寝室・子供室を広く取ることができます。
廊下が少なく、コミュニケーションがとりやすい反面、部屋の出入りが常にわかってしまう、 音が気になるなどプライバシーの確保が難しいところがあります。
家族の年齢や性別などを考慮して、家族みんなで間取りを検討するようにしましょう。
③コの字型:採光やプライバシーを重視した間取り
住宅の形状がコの字型の場合、住宅の中心にテラスや中庭などの外部スペースを設けて、その周りにLDKや寝室・子供室を配置する間取りになります。
テラスや中庭があることで、家のどこでも彩光や通風を確保でき、各部屋のプライバシーを確保できます。
ただし、コの字型の間取りは、廊下が長くなる、住宅全体の面積が広くなる、外周も長くなるため、建築コストが高くなります。
また、敷地が狭い場合は、むずかしいプランになります。敷地の利用方法と間取りのバランスをよく検討して取り入れる間取りです。
④間口が狭い、狭小敷地建てる平屋住宅:間取りの注意点
間口が狭い、狭小敷地に平屋住宅を建てる場合、住宅の広さが限られます。効率よい間取りを作るためには、廊下を少なくし、収納スペースを確保しながら、居室を広くするように工夫をします。
収納スペースを確保するために、小屋裏収納やロフト・床下収納・壁埋め込み収納などを作ります。居室を広く感じるように、勾配天井やバルコニー・ウッドデッキを作るなどの工夫をします。また、彩光や通風を確保するために、高窓やトップライトを付けるなどの工夫もします。
これらの工夫は、建築費用がかかります。本当に必要あるのか、他にできることはないのかなど検討ながら取り入れるようにしましょう。
3LDK平屋住宅の建築費用
一般的に、平屋住宅と2階建て住宅の坪単価を比較すると、平屋住宅の方が割高と言われています。
それは、平屋建ての方が一坪にかかる基礎や屋根の工事費用が2階建ての倍かかるということと、平屋用の資材が割高だからです。
しかし、住宅全体の建築費用は、割高になるケースばかりではありません。
階段がない分、延べ床面積を小さくおさえることができます。
間取りの工夫や建て方により2階建て住宅と変わらない費用で平屋住宅を建てることができるからです。
以下に、平屋建て住宅の建築費の目安を床面積と坪単価でまとめました。
建築費用相場
3LDK平屋住宅の平均的延床面積は25~30坪です。
建築費用の相場は、坪単価×延床面積で計算できます。
坪単価は住宅会社により違い、
- 大手ハウスメーカーは坪単価が高く60~100万円
- ローコストハウスメーカーは30~50万円台
と言われています。
① 大手ハウスメーカーの建築費用の相場
・坪単価60万円の場合
床面積25坪の場合 25坪×60万円(坪単価)=1,500万円
床面積30坪の場合 30坪×60万円(坪単価)=1,800万円
・坪単価70万円の場合
床面積25坪の場合 25坪×70万円(坪単価)=1,750万円
床面積30坪の場合 30坪×70万円(坪単価)=2,100万円
・坪単価80万円の場合
床面積25坪の場合 25坪×80万円(坪単価)=2,000万円
床面積30坪の場合 30坪×80万円(坪単価)=2,400万円
② ローコストハウスメーカーの建築費用の相場
・坪単価30万円の場合
床面積25坪の場合 25坪×30万円(坪単価)=750万円
床面積30坪の場合 30坪×30万円(坪単価)=900万円
・坪単価40万円の場合
床面積25坪の場合 25坪×40万円(坪単価)=1,000万円
床面積30坪の場合 30坪×40万円(坪単価)=1,200万円
・坪単価50万円の場合
床面積25坪の場合 25坪×50万円(坪単価)=1,250万円
床面積30坪の場合 30坪×50万円(坪単価)=1,500万円
③ 建築費用の坪単価と全体工事費用
建築費用の坪単価は、各住宅会社が設定している標準仕様の住宅になります。
そのため、全体の工事費用には、必ずかかる費用が別途あります。
見積もりを取る時には、別途工事費用や諸経費の内容を確認するようにしましょう。
別途かかる工事費用と諸経費(例)
- 解体工事費用、足場工事費用、外部給排水工事費用、アンテナ工事費用など
- オプション工事費用(食器洗い機・エアコン・カーテン・照明など)
- 申請・税金等の費用(建築確認申請費用・設計費用・登記費用・消費税など)
3LDK平屋住宅の建築費用を抑えるアイデア
平屋住宅の建築費用を抑えるには、床面積や間取り・デザイン・仕様をよく検討する必要があります。
また、見積もりの検討も必要です。
床面積と間取り
平屋住宅の建築費用を抑えられる床面積と間取りは、 無駄のない効率の良いシンプルな間取りにして、床面積30坪前後が理想です。
間取りを効率化するには、
- 廊下を減らす
- 収納のサイズを指定する
- 部屋を細かくわけすぎない
など間取りを検討する時に見直してみましょう。
坪単価は、面積により金額が変わります。一般的に、面積が狭い方が高く、広い方が安くなります。
3LDKの平屋住宅の場合は、20坪台前半では狭く、坪単価が高くなります。坪単価と面積のバランスが良い坪数は、28から32坪ぐらいまでです。
デザインと仕様
平屋住宅の建築費用を抑えるためには、デザインと仕様も検討が必要です。
- シンプルなデザインにすること
- 外装・内装・設備などの仕様を標準仕様からグレードアップをしないこと
- オプション仕様を厳選する
など検討しましょう。
仕様のグレードアップやオプション仕様は、通常の見積もりより割高に設定されています。
特にローコストハウスメーカーでは、グレードアップやオプション仕様が多くなると、大手ハウスメーカー並みの価格になることがあるので、注意が必要です。
グレードアップ、オプション仕様は、厳選して採用するようにしましょう。
また、住宅会社の標準仕様が自分の建てたい平屋住宅の希望とあっていれば建築費用を抑えることが可能です。
住宅会社を選ぶ時には標準仕様の内容を確認するようにしましょう。
見積もりの検討
建築費用を抑えるために、相見積りをとって複数の住宅会社の見積もり金額を比較検討しましょう。
相見積りをとることで、高い見積もりがわかるようになります。また、価格交渉をすることも可能になります。
また、床面積が40坪、50坪になる平屋住宅の場合は、2階建ての間取りもとあわせて検討するようにしましょう。
間取りを見てみないとわからないことがあります。建築費用も大きく変わります。2階建て住宅もあわせて検討するようにしましょう。
まとめ
平屋住宅の間取りは、色々なパターンがあります。
敷地の広さや方位によって、住みやすい間取りや建築費用が変わります。
平屋住宅を検討する時には、全体の広さと間取りのバランス、建築費用を抑える工夫をし、満足度が高い平屋住宅を建てましょう。